立教大監督を解任→実業団選手に転身、上野裕一郎38歳に聞いた「電撃復帰」の真相「ひらまつ病院が拾ってくれた」「立教大の選手に会うと…」
パパはあなた一人しかいないんだから
家族には、正式に決まった後に連絡をした。妻からは「もう1回陸上できるんだから頑張って。私はいいから子どもたちを守ってあげて。パパはあなた一人しかいないんだからしっかりして」と言われた。 「ものすごい心の傷を負っているはずなのに、うちの妻からは『子どものことを優先し、大事にしてほしい』と何度も言われました。改めて、妻の気持ちを大事にしつつ、自分自身しっかりして、家族を養えるように陸上で結果を出していくしかないと思いました」
上野が涙した、あるメッセージ
上野のひらまつ病院加入は、さすがに歓迎ムード一色とはならなかった。ニュースとして報じられると、SNS上では再起に期待する声と同時に、「禊も済んでないのに、もう復帰かよ」「なんで、また陸上やってんの」など、ネガティブで厳しい声が飛んだ。そうした負の矢印は、当然、ひらまつ病院にも向けられた。その時、上野は病院側から、こう言われたという。 「うちは何を言われてもいい。こうなるのは分かって採っているから。理事長や部長、監督が盾になる。その代わり必死に頑張ってくれ」 上野は、その言葉に涙がこぼれたという。
こんな僕を温かく迎え入れてくれた
「普通は、問題を起こした人とか面倒がいやだから採ったりしないし、逆に辞めさせたいと思うじゃないですか。でも、ひらまつ病院は、温かく僕を迎え入れてくれたんです。それでも最初は、病院内で『ほら、あの人だよ』って言われたり、指を差されたりすることはあるだろうと覚悟していたんです。でも、そんなことも一切なくて、病院内ですれ違うみなさん、笑顔で『こんにちは』『がんばってください』と声をかけてくれて……。人の温かさというか、優しさを改めて感じることができました。この人たちのためにも自分はやらないといけないと強く思いました」 陸上部の福田穣もSNS上で「禊がなんだって言ってる人いるけど、自分が悪いとはいえ、急に職失って、家族もいて次の仕事探すの必死になるに決まってんじゃん」と上野を擁護する声を上げた。しかし、それが火に油を注ぐことになり、福田からは「炎上してしまってすいません」と、上野のもとに謝りの連絡が来た。上野は、「意見してくれてありがとう。巻き込んですまない。今は俺に触れない方がいい。何も良い影響がないから」と伝えた。上野は、自分が復帰したことでひらまつ病院、女子部員や部員たち、そして家族に迷惑が及ぶことを恐れた。 「ひらまつ病院に対して、『何だよ』と思う人もいたと思いますし、女子部員の保護者も『うちの娘に手を出しておいて、もう復帰か』と思ったかもしれません。そこで僕に批判の矢印が向けばいいんですが、それが病院や女子部員や部員、家族に飛び火することがすごく心配だったんです」 上野の懸念とは裏腹に、彼らに誹謗中傷の波が押し寄せるようなことはなかった。
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