生成AI、教育現場では「チャンス」に?……学習内容を個別にアレンジ、誰でも「ベテラン教師」に 進路アドバイスも
日テレNEWS
進化が止まらないAI。「AIが生成した画像に著作権を侵害された」として、アメリカではアーティストが集団訴訟を起こす事態になりました。一方で、教育現場では大きなチャンスになると注目されています。どんな可能性があるのか、落合陽一さんと考えます。
■落合さん「時代に合わせたルールを」
有働由美子キャスター 「(AIを巡り集団訴訟が起きるなど)アーティストとしては深刻ですが、落合さんはどう見ますか?」 落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー) 「AIを活用する時代に合わせてルールを変えてしかるべきだと考えています。10年ほど前からこうなることはよく言われてきて、予想されていたことです」 「これからのアーティスト、つまり著作権ベースで生きていく人は、単価を上げるか、コピーされる前提でAIと一緒に作るか、証明書をつけるなどしてコピーされたことを売りにして生きていくか、物理世界でコピーしにくいものを作るか、くらいしかありません」 「そうやって作品を作ってきた人が生き残るのだと思います。それはそれで仕方ない、リアリティーだと思います」 有働キャスター 「その生成AIが、学校の現場では大きなチャンスになると見られています。金沢市で行われたG7教育相会合で、『生成AIは課題がある一方で学習などに好機をもたらす』と発表されました。好機をもたらすとは、どういうことなのでしょうか?」
■生成AIで教育現場はどう変わる?
小野高弘・日本テレビ解説委員 「例えば、オーダーメイドで学べることがあります。1人1人の生徒の理解度に差があることをAIが分析して、個別に学習プログラムを作ろうとか、テストもみんな同じではなく、1人1人に合わせて出題内容を変えて弱点克服につなげよう、などです」 有働キャスター 「最強の家庭教師が学校に一緒にいるような感じですね」 小野委員 「先生も、誰もがベテラン教師になれます。授業中、AIが生徒の表情を読み取って感情を分析します。『今ここ、理解できていない生徒が多いようです』『眠くなっている生徒がいるようです』と言語化して教師に知らせてくれます」 「教師は『あ、そうか』とその場で授業を改善できます。ベテラン教師のような柔軟対応をAIと対話しながらできます。進路もアドバイスしてくれます。学生の成績や履修状況から、今後どの科目に力を入れるべきかや、卒業後の職業の適性までAIが提案してくれます」