米資産運用大手CEO「金融業界はビットコインを過小評価」──取引規模はビザ・マスターカード合計の2倍
2020年に家業を引き継ぎ、資産運用大手フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)をデジタル資産分野へと導いた同社CEO、ジェニー・ジョンソン氏は、従来からの金融機関がビットコインの規模に対していかに認識不足であるかに衝撃を受けている。 ジョンソン氏は米国時間8月20日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたワイオミング・ブロックチェーン・シンポジウムでの会話の中で、自社を次世代に向けて位置づけることに主な焦点を置いており、日々の仕事の30%を、この破壊的技術に関する調査に費やしていると語った。 これにはデジタル資産も含まれており、ジョンソン氏はデジタル資産は見逃したくない2つの大きくて明確なトレンドのうちの1つだと考えている(もう1つは人工知能である)。 「私にとっておかしいのは、伝統的な金融では、お金の量や(ビットコインの)取引量について全く分かっていないことだ」とジョンソン氏は語った。 2023年、ビットコイン(BTC)ブロックチェーンは、厳かった年から市場が回復するのに伴い、36.6兆ドル(約5300兆円、1ドル=145円換算)を超える取引をさばいた。これは、それぞれ9兆ドル(約1300兆円)と14.8兆ドル(2145兆円)を取り扱った世界2大決済ネットワークのマスターカード(Mastercard)とビザ(Visa)とは対照的だ。 「エコシステム全体として、別に並存する巨大なエコシステムのことをほとんど無視している」とジョンソン氏は語った。
マスターカードとビザの取り組み
マスターカードとビザはブロックチェーン技術を無視しているわけではない。両社は近年、自社のネットワークに暗号資産(仮想通貨)決済を追加する取り組みを行ってきた。特にビザは、新製品の提供をテストするために何度も試行を重ね、サークル(Circle)やソラナ(Solana)など暗号資産ネイティブの企業数社と提携して、この分野での基盤を強化してきた。マスターカードはブロックチェーンベースのデビットカードを展開している。 フランクリン・テンプルトンは、ジョンソン氏のCEO就任から急速に、伝統的な資産運用会社の中でも先導的な立場へ立つようになった。同社のオンチェーン米国政府マネー・マーケット・ファンド(FOBXX)は、2021年に取引と所有権の記録にパブリックブロックチェーンを使用する最初のファンドとなった。 同社は今週初め、米証券取引委員会に、投資家に幅広くデジタル資産の選択肢を与える新たな上場投資信託(ティッカーシンボルはEZPZで取引)を立ち上げる提案書を出している。なお、はこのファンドのカストディアンはコインベース(Coinbase)が担う。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock/CoinDesk|原文:TradFi Underestimates Bitcoin's Enormous Scale, Franklin Templeton CEO Says
CoinDesk Japan 編集部