花山天皇の出家描いた大和絵を限定公開 京都の寺社で非公開文化財公開
普段公開されていない寺社の建物や仏像を公開する恒例の「京都非公開文化財特別公開」が行われている。京都市内の17寺社などと府北部の11寺社が参加し、拝観料は文化財の保存修理や維持管理に充てられる。12月8日まで。 京都古文化保存協会が主催。千本釈迦堂の通称で親しまれる大報恩寺(京都市上京区)は今回、新たに国宝となった「木造六観音菩薩像」と「木造地蔵菩薩立像」を展示する。貞応3(1224)年、肥後定慶(じょうけい)をリーダーとした慶派の流れをくむ仏師によって制作された。安貞元(1227)年に建立された国宝の本堂は度重なる戦火を免れ、京都市街地では現存する最古の木造建築物となっている。 初参加の元慶寺(がんけいじ)(京都市山科区)は花山天皇が出家した地としても知られ、NHK大河ドラマ「光る君へ」にも登場して話題となった。出家の背後には藤原道長の父、兼家らの謀略があったとされる。 今回は出家の様子を描いた極彩色の大和絵などを今月10日まで限定公開する。絵は江戸中期の文化年間に春日画所の法橋琢眼が描いたとする落款がある。大河ドラマ効果で元慶寺では参拝者が増えているといい、杉山良空副住職(47)は「御所からここまで法皇がやってきて歴史の舞台になったことに思いをはせて参拝してほしい」と話している。 拝観料は1カ所あたり大人千円、中高生500円。拝観料と公開期間は一部寺社で異なる。問い合わせは同協会(075・451・3313)。(田中幸美)