日本ハム1位指名の柴田 獅子投手（福岡大大濠）

2024年も、残りあとわずかとなった。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。 2024年福岡県大会の結果一覧 今年の福岡では、春と秋は公立校が、夏は強豪私立が存分に力を発揮した年だった。 春は春日が初優勝を手にした。5回戦で福岡工大城東を破って8強入りすると、自由ケ丘、九州国際大付と甲子園出場実績のある強豪を、ともに2対1の僅差で勝利。決勝では大牟田を延長11回タイブレークの末に、4対2で振り切って初の頂点を奪って見せた。野球での推薦入学のない県立校が、粘り強い戦いで強豪私立を倒していった。 夏は福岡を代表する強豪私立が意地を見せた。春優勝の春日は8強入りを果たしたが、決勝は福岡大大濠と西日本短大付の両雄対決となった。福岡をリードしてきた両校がぶつかり、終盤に勝ち越した西日本短大付が振り切って優勝。3年ぶり7度目の甲子園出場を決めた。 敗れた福岡大大濠のエースで4番・柴田 獅子投手（3年）は、ドラフトで日本ハムとソフトバンクの競合の末、外れ1位で日本ハムから指名を受けた。また、近大福岡と福岡大若葉はともに初4強。九州国際大付、東海大福岡を含めると、8強中、6チームが大学付属高校という結果となった。 秋は育徳館と修猷館が快進撃を見せた。育徳館は久留米商、東福岡と強豪を破って準優勝。初の九州大会出場も果たし、1勝を挙げた。修猷館は九産大九産、希望が丘などを破って4強入り。優勝した西日本短大付に準決勝で敗れたが1点差の惜敗だった。ともに藩校時代からの流れをくむ伝統校で、文武両道の精神を発揮して結果を残した。8強入りした小倉とともに、「古豪」の来年の活躍に期待したい。 センバツには昨年秋に福岡で優勝し、九州大会4強の東海大福岡が出場。惜しくも1点差で初戦敗退となった。夏甲子園に出場した西日本短大付は、優勝した京都国際（京都）に3回戦で敗れ、8強入りはならなかったが、優勝した1992年以来となる2勝をマークした。新チームとなった秋も福岡で優勝し、九州大会でも4強入り。来年春のセンバツ出場へ大きく前進している。選ばれれば、1987年以来、38年ぶりのことになる。