なにわ男子 長尾謙杜のアクションを堤真一も絶賛 大泉洋主演映画『室町無頼』撮影に密着
入江悠監督が「かなり見応えがあります」と太鼓判を押す大泉洋のアクション
そして、兵衛役の大泉は、道賢役の堤と対峙するアクションシーンの撮影に挑んだ。2012年に行われたTEAM NACSの舞台『WARRIOR~唄い続ける侍ロマン』などで立ち回りの経験はあった大泉。「どうしても舞台で見せる立ち回りと、今回のような映像のリアルな立ち回りって違うんですよね。今回はリアルを追求してましたから、そこは大変でした。この企画が立ち上がったのはもう数年前でしたから、私と堤さんも年齢的にも、まあその時にやれていた方がよかったよねと(笑)」と振り返り、「身体的には本当にきつかったですけれど、兵衛という役をやるには、今の僕ぐらいの年になって出る味わいというか雰囲気が必要だったんだなと今となっては思っています。結果としてやっぱり、この時期に演じることができてよかったのかなと」と50代での挑戦に胸を張った。 大泉は時代劇に対しても強い思いを抱く。「いろいろなものが整備されて、人の考え方や技術なんかも、どんどん進化していく。そんな中で昔はやっぱり、まだまだどう考えても野蛮な時代ですよね。なんのコンプライアンスもないし(笑)。さらに、死というものがもっともっと身近な時代で、生きていくということが、簡単じゃなかった時代でもあったはずです。今の時代って、生きていけるのは当たり前で、そこから自分の生きがいや、やりたいことを探すのが大変な時代。今は今で大変なのかもしれないけれど、そんなことを考える隙間もなく、どうやって自分は生きていくのか、どうやって家族を死なせずに生きていくのかということに一生懸命だった時代。それは、やっぱり時代劇でしか表現できないことですよね。この映画を機に、また時代劇というものが盛り上がっていくといいなと思います」と、“時代劇でしか出せない人々の熱”についても熱く語った。 そんな大泉だが、現場では弱音を吐いていたことを入江監督が笑いを交えつつ証言。「『アクションが多い』とかまずは言い訳から入る(笑)。でもやっぱり、きちんと仕上げてきますし、見たことのないすごい殺陣になってるんです。見えないところでこっそり刀を振るなど何カ月も練習されているので、かなり見応えがあります」と大泉のアクションに太鼓判を押した。 本作の企画がスタートしたのは2017年。コロナ禍などによる延期を経て、約8年越しに公開を迎える。「10代のときに東映の映画で育った」という入江監督にとっても相当思い入れがあるようだ。 「東映の映画が作れるというのがなによりも喜びでした。しかも、映画としては自分にとって初の時代劇で。内容的にも、世の中に不満を持った名もなき人々が立ち上がるというのは、この7~8年の世界の潮流ともリンクするところがある。なかなか怒ったり不満をぶつけたりしづらい世の中ですけど、この映画がひとつの指針になってほしいというか、こういう生き方もあるということを感じてもらえたらいいなと思います」 映画『室町無頼』は、2025年1月17日に公開される。
宮川翔