「シャネル」のヴィルジニーが退任、後任候補にはエディ、ピエールパオロ、サラ・バートンの名前
「シャネル(CHANEL)」のアーティスティック・ディレクターを務めるヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)がメゾンを去る。「シャネル」は今後のクリエイティブ体制については、「やがて発表する」との声明を発表した。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)の後継者を務めたヴィルジニーは、現在62歳。「シャネル」は「ヘリテージに敬意を表しながら、メゾンのコードを更新してくれた。彼女の素晴らしい貢献に感謝している」と話した。ヴィルジニーは、カールの側近時代を含め、30年にわたり「シャネル」のクリエイションを担った。
6月25日に開催予定の2024-25年秋冬オートクチュール・コレクションは、予定通りに開催する。
ヴィルジニーが19年にカールの後任となって以来、「シャネル」のプレタポルテ(既成服)のビジネスは2.5倍に成長したと言われている。成功を受け、メゾンは今後の経営戦略に大きな変更はないと話したばかりだった。一方、マルセイユで開催したばかりのクルーズ・コレクションは、若い世代に向けたクリエイションに傾倒しているとしてSNSでは賛否両論だった。
後任候補には、噂は何度も浮上しているエディ・スリマンの名前
後任については、17年に最初の噂が浮上して以来、「シャネル」は何度も否定しているエディ・スリマン(Hedi Slimane)「セリーヌ」アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのほか、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」を去ったピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」のトップを退任したサラ・バートン(Sarah Burton)などの名前が上がっている。
ヴィアール=アーティスティック・ディレクターは1962年にフランス・リヨン市で生まれ。創業者であるガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)以来、女性として初めて同ブランドの舵取りを担った。地元の学校で舞台美術を学んだ後、衣装デザイナーのドミニク・ボルグ(Dominique Borg)のアシスタントとしてキャリアをスタートした彼女は、1987年にインターンとして「シャネル」に加わり、やがて刺しゅう部門の責任者となった。92~97年にカールと一緒に「クロエ(CHLOE)」で仕事をした後、2000年に共に「シャネル」に戻っている。以後、オートクチュールやウエア、アクセサリー部門を統括し、カールに「私の右腕であり、左腕でもある」と言わしめるほどの強い信頼関係を築いた。