急成長する中東の ラグジュアリーファッション 市場:サウジアラビアの若年層と文化的アイデンティティの影響
ラグジュアリー市場拡大と新たな小売インフラ
シャルーブグループは最近、世界で2番目のジャックムス(Jacquemus)店舗をドバイにオープンし、ラグジュアリーブランドのジルサンダー(Jil Sander)など、まだ市場に参入していないブランドの出店場所を積極的に探している。 「第3四半期には、サウジアラビアで初となるファッションブランドのマルニ(Marni)の店舗をオープンする」とバンダ氏は語った。「ショッピングセンターのドバイモール(Dubai Mall)には、ファッションブランドのメゾンマルジェラ(Maison Margiela)の店舗があり、非常に好調だ」という。 「同ブランドは当社のポートフォリオのなかでもっとも成長の早いブランドのひとつで、今後さらに数店オープンする予定でいる。よりアバンギャルドでクールなブランドは、若い世代にとって魅力的なようだ」と言い添える。 バンダ氏によると、中東ではリヤドのソリティアモール(Solitaire Mall)やアブダビのザ・グローブ(The Grove)のような大規模プロジェクトにより、新たな小売インフラに多額の投資が行われている。今後数年のあいだにジェッダのメイダン(Meydan)やアベニューズモール(Avenues Mall)などドバイとサウジアラビアでさまざまな施設がオープンすることになっており、ブランドに新たな小売の機会をもたらすだろう。 2023年10月に大規模なファッションショーのファッションウィーク(Fashion Week)がリヤドではじめて開催されたが、これは、この地域のファッションシーンが急成長中で、現地のデザイナーが育ち、サウジのラグジュアリーブランドが生まれている証拠だ。 このように現地色を打ち出すことは美容業界でも同じで、いわゆる「アラブビューティー」が台頭し、ドバイのコスメブランドであるフーダビューティー(Huda Beauty)などが、韓国ビューティーのような定着している地域的な美容トレンドに対抗する立場に立っている。