3社が営業減益・赤字…トヨタ系中堅部品5社、4―6月期の全容
トヨタ自動車系中堅部品メーカー5社が30日発表した2024年4―6月期連結決算は、3社が前年同期比で営業減益または営業赤字となった。販売減や労務費の増加、中国・アジアの景気減速が響いたほか、トヨタグループの認証不正による台数の減少も軽微の影響があった。一方で為替の円安効果が増収につながる企業もあり、愛三工業は25年3月期連結業績予想の売上高と各利益段階を上方修正した。 【一覧表】トヨタ系部品メーカー5社の決算詳細 東海理化の24年4―6月期は、生産台数減少や労務費を含む固定費の増加が減益要因となった。労務費の売価反映について篭橋栄治収益改革本部長は「顧客と話を進めており、下期(24年10月―25年3月期)には反映できるとみている」とした。中央発條の矢沢文希取締役執行役員は労務費上昇について「売価反映のほか生産性向上で吸収する」とした。 大豊工業は「中国・アジア市場の減速などが影響した」(延川洋二執行役員)ことで減収・営業赤字。フタバ産業も北米を除く地域で生産台数が低下し、減収・営業減益となった。 一方、愛三工業は増収・営業増益を確保。佐藤健二執行役員は「デンソーからの燃料ポンプ事業譲受による販売数量増などでカバーできた」とした。 トヨタグループの認証不正の影響について、24年4―6月期の売上高ベースで大豊工業は約4000万円、中央発條は約2億円、愛三工業は約3億円としている。フタバ産業は「稼働時間が減っている分、普段できない作業改善に取り組んでいる」(今井英樹取締役)。 ファインシンターは海外子会社で期末棚卸し資産の不適切な会計処理があったことを受け、決算発表を9月26日に延期した。