毎年およそ100兆円 国の予算編成の流れは?
2014年度の国の予算案が24日に閣議決定されました。一般会計予算は過去最大の95兆8823億円。このように毎年、100兆円近い予算が編成され、国会で審議の上、執行されています。社会保障や公共事業、防衛費など私たちの生活から国家に関わるものまで、これらは予算がなければ成り立ちません。この大切な予算は、どのような流れで編成されているのでしょうか。
予算作成は1年がかりの作業
日本の予算は1年ごとに決められます。期間は4月から翌年の3月末までの、いわゆる「年度」です。予算編成の基本的な流れとしては、各省庁が要求する予算額を財務省に提出し、それを財務省が査定し、予算案を作成。それを国会に堤出、可決されて成立するという、ほぼ1年がかりの作業になります。
8月末までに概算要求
予算編成の動きがメディアをにぎわすようになるのは7月から8月にかけてです。概算要求基準(シーリング)が政府から示されるからです。各省庁は、次の1年の政策の実現に必要な予算額を「これぐらい欲しい」と見積もり、財務省に提出するのですが、その際、各省庁ごとに予算要求額の上限が定められています。これが概算要求基準です。各省庁とも予算は出来るだけ多く欲しいので、上限がないと国全体の予算が膨らみすぎてしまいます。こうした各省庁による予算要求額の提出(概算要求)は8月末に締め切られます。 ただ、2014年度予算については、今年の秋に消費税引き上げの判断を控えていたため、税収見通しが難しいとして、概算要求基準の上限は設けられませんでした。
12月末に予算案を閣議決定
9月からは、集められた予算要求について、財務省による査定が始まります。財務省主計局が各省庁の担当者からヒアリングを行い、本当に必要かどうかを折衝します。こうした折衝は秋ごろまで続けられ、予算要求を絞り込んでいきます。 そして12月には政府が「予算編成の基本方針」を閣議決定。正式な予算案が決まる前に、閣僚同士で内容の確認や交渉を行う「閣僚折衝」などを経て、年末に最終的な政府としての予算案が閣議決定されます。決定は基本的に例年12月24日です。 民主党政権が誕生する前の自民党政権では、12月中に財務省原案が各省庁に内示され、それから、各省庁が財務省に認められなかった予算の復活を求める「復活折衝」が展開されましたが、現在では行われていません。