御嶽海（左）を押し出しで破る大の里（撮影・中島郁夫）

＜大相撲秋場所＞◇8日目◇15日◇東京・両国国技館 　関脇大の里（24＝二所ノ関）が、先場所苦杯をなめた大関経験者の御嶽海（31＝出羽海）と対戦。もろ手突きで起こした後、左差しを許したが、得意とは逆の左差しから前に出て、押し出し。全勝ターンを決め単独トップの座を守った。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　先場所初日に敗れた相撲巧者に雪辱した。 　大の里のもろ手突きの立ち合いは、吸収される格好で御嶽海に距離を詰められた。得意の右差しも封じられ、逆に相手に左を差された。それでも体勢を立て直すと左おっつけで一直線。最後は身を投げ出して押し出した。新十両の昨年秋場所で初日から9連勝したが幕内では初のストレート勝ち越し。「体が動いていたのでよかった。先場所の反省を生かした。あと1週間あるので頑張りたい」と引き締めた。 　師匠の二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）は「（白星を）よく拾った。あれを勝ちに持ってきたのは自信になるし、いい勉強」と、大関経験者のうまさを上回った馬力を称賛。師匠も左おっつけを得意としていたが「自分のとは種類が違うけど、攻撃力と守備力が両方ある。その両方が生かされている」と、武器になっているとみる。大の里は9勝止まりだった先場所と比較し「思い切って相撲を取れている。前に出る意識もある」。大関昇進に1歩前進し、うなずいた。