『十角館の殺人』ドラマ初主演・奥智哉が「江南(コナン)」を演じきるまでに行ったこと
ミステリー界の巨匠・綾辻行人の作家デビュー作にして、最高傑作との呼び声も高い『十角館の殺人』 (講談社文庫) が、待望の実写映像化。3月22日 (金)午前十時(AM10時)からHuluで全話独占配信がスタートした。 【写真】二十六歳『十角館の殺人』でデビューも、四作目は賛否両論「期待外れ」 全世界シリーズ累計670万部を誇る綾辻行人の大ベストセラー「館」シリーズ。その第1作『十角館の殺人』は、緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者を引き込みながら、たった1行で事件の真相を描く大胆な手法で、ミステリー界に衝撃を与えた。 誕生から37年経った今も色褪せない世界的名著として輝きを放ち、長年「映像化不可能」と言われてきた本作のドラマ化に挑んだ制作陣と出演者に、このほどインタビューを敢行した。今回は江南(かわみなみ)孝明役を演じた新進気鋭の俳優・奥智哉さんに制作の裏側を聞く。 ---------- 「十角館の殺人」ストーリー 十角形の奇妙な外観を持つ館"十角館”が存在する、角島(つのじま)。1986年、“十角館”を建てた天才建築家・中村青司は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。半年後、無人島と化していた角島に、K大学ミステリ研究会の男女が合宿で訪れる。 その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南(かわみなみ)孝明のもとに【死んだはずの中村青司】から1通の手紙が届く。<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。「偶然とは思えない」――。 江南は調査を進めるなか、島田潔という男と出会い、行動を共にしていく。一方“十角館”ではミス研の1人が何者かに殺害される。孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。 ----------
ドラマ初主演を振り返る
若手俳優の登竜門である「仮面ライダー」シリーズで2020年に俳優デビューを果たし、昨年はNHKドラマ「大奥」で注目を集めた奥智哉さん。 本作では江南孝明役で初のドラマ主演を務めた。奥さんは謙虚な面持ちで、今の気持ちを語った。 「配信される日が近づいていくにつれ、実感が湧いてきたというか、だんだん身に染みてきました」(以下、「」内は奥智哉さんのコメント) 本作は島と本土で分かれて話が進んでいく。本土で物語の謎を追っていく、いわば探偵役の江南は物語の中心人物だと言える。しかし、奥さんは原作小説を読んだとき「他の登場人物と比べて、際立った主人公感のある目立つキャラクターには思えなかった」と振り返る。 「江南は、物語全体を膨らませていく上で非常に重要な役であることは間違いないことはわかりました。今回の実写ドラマのほうでは小説よりも本土のシーンが増えていることもあったので、しっかり取り組みたいなと。江南の好奇心旺盛な感じは、自分と似ているなと親近感を持ちました。頭を回転させて深く推理していくようなことは比較的苦手ですけど。 あと、いい意味でも悪い意味でも純粋というか、根っこの部分で子供っぽいところも似ていると思います。数学的な考え方が苦手なので、そこは全然違います」