家族とは離れ離れ、通院は片道1時間… 原発被災地で暮らす80歳「最期の時はふるさとで」 #知り続ける
「最期はふるさとで」切なる願いに行政は
こうした医療の現状には自治体も危機意識を持っている。福島県は現在、大熊町の隣の富岡町に「ふたば医療センター附属病院」を開設しているが、あくまでも救急医療の拠点との位置付けで、総合病院の機能は果たしていない。そこで、原発事故により休止している大熊町の県立大野病院を解体し、後継となる新たな総合病院の建設を計画している。計画の基本構想によれば、小児科や産婦人科など、安心して子育てできる環境を整えていくとしているが、開院は早くても2029年度とまだ5年も先の話だ。 「最期の時は避難先ではなく、ふるさとで迎えたい。」 末永さんに限らず避難先から双葉郡に戻った高齢者に聞くと、異口同音に返ってくる切なる願いだ。そのためには安心して命を預けられる医療が欠かせない。 この記事はKFB福島放送とYahoo!ニュースの共同連携企画です。
KFB福島放送