福島県石川町官製談合事件初公判 前町長に懲役2年6月求刑 「間違いない」 起訴内容認める
福島県石川町発注公共工事を巡り、入札情報を業者に漏らして謝礼を受け取ったなどとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害、収賄の罪に問われた前石川町長の塩田金次郎被告(76)=石川町形見字道橋=の初公判は18日、地裁郡山支部(下山洋司裁判長)で開かれた。塩田被告は「間違いございません」と起訴内容を認めた。検察は懲役2年6月、追徴金約42万円を求刑し、即日結審した。判決は11月18日午後2時から言い渡される。 検察は論告で「町長の立場を利用して利益を得て悪質。職務行為の公正や社会の信用を多分に損ね、社会的影響も大きい」などと主張した。 一方、弁護側は「金銭を要求した事実はなく、悪質性は低い」として執行猶予付き判決を求めた。 起訴状などによると、塩田被告は2019(令和元)年6月27日から2023年2月27日までの間に町が行った公共工事の入札で、町内の土木会社「志賀建設」元役員の添田保雄被告(63)=平田村中倉字見上=と、元社員の関根徳夫被告(69)=石川町境ノ内=に秘密事項である設計金額を教えた謝礼などと知りながら、2020年2月9日ごろから2023年3月31日ごろまでの間、9回にわたり、計約42万円相当の缶ビールなどを受けたとされる。さらに町発注の道路工事と認定こども園用地造成工事の設計金額を漏らし、入札の公正を害したとされる。
添田、関根の両被告は公契約関係競売入札妨害と贈賄の罪で起訴されている。