【武蔵野S】エンペラーワケア 距離克服し重賞V2 杉山晴師「千六対応で自信持って」フェブラリーS直行へ
「武蔵野S・G3」(9日、東京) 断然の1番人気に支持されたエンペラーワケアは手応え良く直線を迎えたが、前が壁となり進路を失った。隣の馬と馬体をぶつけるなど、かなり厳しい競馬を強いられるなか、残り200メートル標識が迫ったところで、わずかにあいた1頭分のスペースを見逃さなかった。 川田のエスコートに瞬時に反応。グイッと馬群から抜け出すと、最後は外から強襲してきた2頭の追い上げを楽々と退けた。川田は「スペースがないなか、馬の能力で出てきてくれました」と、タイトな展開を克服した相棒の地力をたたえた。 2戦目でダートに転じてから、これで9戦7勝、2着2回とパーフェクト連対。唯一にして最大の課題は、これまで走ってきた1400メートルから200メートルの距離延長だった。「千六をこなすためにここを使って、返し馬から、いやパドックでまたがった瞬間から千六を意識して組み立てました」と鞍上は振り返った。 下見所ではややテンションは高めも、返し馬でうまくなだめて落ち着かせた。3F通過が33秒8というハイペースで流れるなか、好位でしっかりと手綱を押さえ、ラストの爆発力をため込んだ。全ては大目標へ向けて、距離のメドを立てるため。杉山晴師は「(来年の)フェブラリーSという目標があっての今回のレース。千六に対応してくれたので自信を持って行けます」と胸を張った。 今後はフェブラリーS(25年2月23日・東京)へ直行する見通し。秋の府中マイルでまた1頭、ダート界の頂点をうかがう楽しみな馬が現れた。