ユーロ圏企業、事業が失速 経済はプラス成長維持の公算=ECB
[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が18日公表した四半期調査によると、ユーロ圏企業は事業が一段と失速しているものの、製造業の不況をサービス業の拡大が補う形になっており、経済全体はプラス成長を維持する可能性が高い。 調査は大手事業会社95社を対象に9月16─26日に実施した。 これによると、企業マインド悪化の背景には、競争力に対する懸念の高まり、グリーン移行を巡る不透明感、コスト高、政治動向への不安がある。 「これを受け、企業は投資を縮小し、コスト削減を重視しており、消費者心理の重しにもなっている」という。 「経済活動全般は主にドイツとフランスで予想を下回る傾向にあったが、他の地域では総じて底堅かった」。こうした状況を背景に企業は価格上昇率の鈍化を指摘している。 特に自動車部門が低迷しており、製造業全体に影響を及ぼしている。需要全体が低迷し、バッテリー電気自動車の需要も縮小。 「企業はグローバルな経済・政治環境の悪化を指摘している。特に中国経済の減速と自給自足傾向の高まりが輸出需要を圧迫し、輸入競争を激化させている」という。 企業は低調な成長環境全般が目先、大きく変わることはないと予想。効率性と生産性の向上を重視しているため、雇用の見通しも低調となっている。