「売春する女性側ではなく、買春する男性側も罰するべき」...大久保公園「立ちんぼ女子」VS.「警察」のいたちごっこに終止符を打つ「唯一の方法」
警察の説教も効果薄
警察の摘発も一定の効果が出るものの、すぐ立ちんぼが復活してしまう。この路上売春問題をどう考えていけばいいのだろうか。 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の「罪悪感」 前編記事『「橋本環奈似28歳美女」の“有名たちんぼ”が初めて「過去の客待ち行為」で逮捕...それでも大久保公園から「立ちんぼ女子」が「消えない理由」』に続き、今回は識者に路上売春対策について話を聞いた。 夜の世界で孤立・困窮している女性の生活・法律相談事業を運営するNPO法人「風テラス」理事長の坂爪真吾氏が解説する。 「いたちごっこが続く中、警察が現状を打開するためにメディアを利用して発信したとされるのが先月の“過去の客待ち”で逮捕の一件です。しかし、仮に捕まったとしても、釈放後、すぐに再び大久保公園に立つ女性もいるので、抑止力はさほど期待できないと思います」(坂爪氏、以下同) リスクがあることは承知で、路上に立つ女性たち。警察が注意や説教をしても彼女たちの心には響かないようだ。 「私たち『風テラス』では、まず相談者の話を一切否定・批判せずに聞き、本人の置かれている現状と気持ちを受け止めた上で、困りごとの解決方法を一緒に考えていきます。 生活に困ったからといって、『路上に立って稼ごう』といきなり考える女性はいません。「水商売で稼げなかった」「風俗は面接~採用に時間がかかるし、自分で客を選べない」「パパ活は男性とのやり取りが面倒」といった経験を経て、「路上であれば、今すぐに稼げるから」「自分で客の顔を見て選べるから」と考えて立っている、という印象を受けます」
ホストの売掛金廃止と路上売春は別問題
「風テラス」にもホストクラブの売掛金の相談もかなり多く寄せられているものの、それが理由で路上に立つ女性からの相談は少ないと、坂爪氏は指摘する。 「売掛金の問題は主要な相談内容の一つですが、数百万円の売掛がある場合、路上に立つだけでは、まず返済できない。売掛金の返済のために路上に立っている女性がいるのは事実かもしれませんが、売掛の規制によって路上売春が減るかといえば、それはまた別の問題だと思います」 歌舞伎町のホストクラブ経営者らは「今年4月までに売掛金を廃止する」方針を示した。しかし、料金を前払いする「前入金」という新しい手法の被害に遭ってしまった例もすでにあるという。 警察があらゆる手を施しても、なかなか目にみえる効果が乏しい。坂爪氏が語る。 「いたちごっこが一概に悪いわけではない。対症療法であっても、何も対策をしなければ、治安が悪化していく一方なので、仕方ない面もあります。路上売春という社会課題をすぐに解決できる魔法はありません。警察・行政・NPOが、それぞれの立場と専門性を活かして、女性が路上売春以外の選択肢や居場所、人とのつながりを得られる社会をつくっていくしかないと思います」