「ブス」は呪いの言葉 思春期の心の痛みを糧に 筋トレ&大会出場で「底辺な自己肯定感から救われた」26歳
いじめではないけれど、学生時代の何気ない男子からの言葉で、心に傷を負った経験を持つ人は少なくはないかもしれない。サマー・スタイル・アワード(以下、サマスタ)で最も筋量を求められるベティ部門でプロとして活躍中の髙橋千東(たかはし・ちはる/26)さんもその一人。「底辺にまで落ちた」と振り返る自己肯定感を筋トレ&ボディコンテストが救ったと語ってくれた。 【写真】髙橋千東さんのバキバキ腹筋&鬼が棲む背中
学生時代はフェンシング部に所属し、いわゆる体育会系の髙橋さんは肩幅も広く、脚も太く筋肉質だったという。 「スキニージーンズを履いたときに好きな男子から『パツパツやん』と言われて、それ以来太い脚がコンプレックスでした。それにいじめられていたわけではなかったのですが、男子から『ブス』と言われることもあり、じつは心に深い傷を負っていました」 スポーツに打ち込み、どちらかというと優等生で「先生の犬」などと呼ばれることもあった髙橋さんはそんな自分へ密かに抗うこともあったという。 「夜中に隠れてメイクの練習をしてみたり、土日に家族にバレないようにギャルメイクして出掛けてみたり、外見のコンプレックスに対して戦っていました」 しかし、大人になって髙橋さんを筋トレ、ボディコンテストが救った。 「今までコンプレックスだった肩幅もまだまだ足りないと思えたり、何より嫌だった太い脚はボディコンテストでは強みになりました。昔はロングブーツを履きたくてもふくらはぎが太すぎて断念していたのですが、今ではもっと太くてかっこいい脚にしたいと思うほどです」 サマスタでベティ部門のプロとして活躍する髙橋さん。完全にコンプレックスがなくなったというわけではないが、底辺だった自己肯定感が以前とは比べ物にならないほど上がったという。 「結局、いまだに外見至上主義に振り回されるのですが、数年前よりも百倍も自信を持って外を歩けるようになりました。筋トレは身体だけではなく、メンタルも大きく変えると思います。外見に悩む人がいたら、取り組んでみてほしいです」 髙橋さんはバキバキに割れた腹筋、太い脚を武器に12月のプロ戦での上位入賞を目指す。 「痩せても痩せても華奢にならない身体が嫌で嫌で仕方なかったのですが、今は強みとしてみることができています。視点を変えれば自分の身体を無限に愛せることを知りました」
取材:FITNESSLOVE編集部
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