札幌が連敗ストップ…反転攻勢は可能? 転機になり得る効果的な“ミシャ式”の一策【コラム】
ホームのG大阪戦で1-0勝利、開幕7試合目にして初白星
北海道コンサドーレ札幌はホーム札幌ドームで行われたJ1リーグ第7節のガンバ大阪戦に1-0で勝利。連敗を5でストップするとともに、開幕7試合目にして初白星となった。最初に正直な評価を言ってしまうと、CK(コーナーキック)からG大阪がゴールネットを揺らし、長いVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックの結果オフサイドの判定になるまでほぼG大阪のペースと言って良かったし、札幌がボールは持ってもゴール方向に加速していかないシーンが目立っていた。 【動画】札幌が連敗ストップ、3枚替え奏功→ゴール奪取した実際の場面 右サイドのMF浅野雄也、左アウトサイドでスタメンに抜擢されたMF近藤友喜からのチャンスメイクも前線と噛み合わず、DF岡村大八を中心とした粘り強い守備は目を引くが、少なくとも札幌に勝利の道筋を見出すことは難しかった。そんな状況を変えたのが後半19分の“3枚替え”だった。膠着した流れで3枚替えをするのはミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督の常套手段ではあるが、この試合は実に効果的だった。 シャドーにMF長谷川竜也とMF青木亮太が、3バックの右に古巣対戦となるDF高尾瑠が入る。これによりDF馬場晴也が左ストッパーに回り、DF菅大輝が左のアウトサイドに上がった。前線はMF駒井善成のゼロトップのような形になり、長谷川、青木との流動性が生まれた。その直後にG大阪もベンチに温存していたFW宇佐美貴史など3枚を同時に替えてきたが、札幌の矢印がより上回る結果となった。 その効果が表れていたのが後半23分のシーンだ。最終的には前線から守備参加していたMFウェルトンにクリアされたが、この攻撃に3枚替えの効果が見られた。左サイドでマイボールにした札幌は馬場からボランチのMF荒野拓馬が受けて、MF宮澤裕樹につなぐ。これに連動して、高尾が右ワイドに開いたところでパスが展開されると思いきや、宮澤は前に生じたスペースを使ってドリブルで持ち上がった。 ここで高尾はそのままステイするのではなく、右ワイドで縦パスを受ける浅野を一気に外側から追い越したのだ。G大阪のディフェンスは左サイドバックのDF黒川圭介とボランチからスライドしたMF鈴木徳真が浅野に引き付けられて、高尾を完全に逃してしまった。そのままボックスの右側まで高尾が侵入すると、長谷川が手前に引いたスペースに駒井、ゴール前の中央に青木、さらにファーサイドからは菅、さらに宮澤もうしろから走り込んでいた。