福島県沿岸の海面水温、30年で2度上昇 漁場形成変化の一因か 水産海洋研究センター
福島県水産海洋研究センターは28日、福島県沿岸の海面水温が過去30年間の平均水温より2度ほど上昇していると発表した。水温上昇は近年の魚種や漁場形成の変化の一因と考えられるとしている。いわき市で開かれた県漁協組合長会で示した。 センターは1970(昭和45)年からいわき沖、富岡沖、相馬沖に各7カ所の定点を設け、海面と水深100メートルの水温を観測している。各定点の過去30年間の平均水温と現在の水温の差を比較、解析した。 海面の水温は沿岸から30カイリ(約54キロ)以内で1・96度、50カイリ(約90キロ)以内に広げると2・09度上昇。水深100メートルでは上昇傾向はみられなかった。ただ、2022(令和4)年以降の約3年間の水温に限ると、海面、水深100メートルともに過去30年間の平均より3~7度高い状態で推移しているという。福島県沖を北上する黒潮による暖水の流入が影響しているとみられる。センターは、解析結果を漁場形成の予測などに生かすとともに、漁業者に情報発信する方針。