明大 休館中の「山の上ホテル」の土地・建物を取得 「現状の外観は維持」創立150周年記念事業の一環
明治大学は15日、数多くの文豪が利用したことで知られる「山の上ホテル」が建設されている土地及び建物を、この日付けで取得したことを発表した。 「山の上ホテル」は1954年開業。以来「文化人のホテル」として広く知られ、川端康成、三島由紀夫ら多くの文豪に愛された。 創業70年を迎えた今年2月、建物の老朽化への対応を検討するため休館を発表。ファンから惜しまれる中、2月13日に営業を終了した。 明大はこの日「2031(令和13)年に本学は創立150周年を迎えます。その記念事業の一環として、本不動産を取得し再整備を実施します」と発表。「現状の外観を維持したまま必要な改修工事を施したうえで、専門業者と連携しホテル機能を継続させるとともに、学生支援、地域連携、社会連携の機能としても利活用ができるよう検討しており、本学の新たなシンボルとして継承していきます」と呼びかけた。 「山の上ホテル」は1937(昭和12)年に米国の建築家であるヴォーリズ(William Merrell Vories)氏の設計により、明大の校友であり本学専門部女子部校舎建設も支援された佐藤慶太郎氏(1890(明治23)年卒業)の寄付を基に、当時の生活困窮者の生活改善などを目的に全国的規模で展開した「大日本生活協会」の本部として「佐藤新興生活館」という名称で建設された縁がある。戦時中は旧海軍、戦後はGHQに接収されWAC(米国婦人陸軍部隊)の宿舎として使用され、その後返還されて、1954(昭和29)年1月から山の上ホテルとなった。