自動でカラーボールや催涙弾を発射するセキュリティカメラ。問題は山積み
一般家庭でここまでする時代…。 玄関先などに防犯カメラが設置された家も、いまでは珍しくなくなりました。 でも、ただ監視するのみならず、不審者の侵入を検知したら、コンビニのレジなどで見かける防犯用カラーボールを発射して撃退してくれるセキュリティカメラが手に入ったらどうですか?
カメラが警告射撃まで!
スロベニアの企業OZ-ITは、クラウドファンディングのKickstarterプロジェクトにて「Paintcam Eve」を公開。今年11月の製品提供が目指されています。一見すると、普通の防犯カメラなのですが。 Paintcam Eveは、ただ設置エリアの監視を続けるだけではありません。不審者の侵入を検知すると、不審とみなした対象に対しカラーボールや催涙弾を発射することができるそう。 驚いた侵入者は、急いで立ち去らざるを得ず、同時に通報を受けた警察官らは、発射された特殊蛍光塗料などを頼りに、スムーズな犯人逮捕を進められるとのコンセプトになっていますね。
問題山積みだけど…
Kickstarterでは、想定を上回る反響だったというPaintcam Eve。とはいえ、いまだ完成品は披露されておらず、どこまで本当に使える製品なのか不明な点も多いようです。 優れた顔認識技術や安全対策によって、誤って通常の来訪者やペットなどに警告射撃してしまうことがないよう配慮されているらしいのですが、その精度などは謎のまま。 なにより懸念されているのは、そもそもPaintcam Eveは合法なのか? という点。自動でカラーボールを発射する装置は少なくともアメリカでは「ブービートラップ」とみなされ違法になる可能性があります。 もし発射されたもので、不審者でもなんでもない人がケガをしたり、損害が発生してしまったら? 開発元のOZ-ITは、Paintcam Eveによって生じる、いかなる被害に対しても、その責任を負うのは購入者で、なんら同社が保障を提供することはないとの立場を貫いているんだとか。 発表されているのはプロトタイプながら、日本円にして20万円にもならない1200ドルから購入できてしまうPaintcam Eve。ただし、これが国内で自由に設置できる環境が、すぐに整ったりすることはないでしょう。 でも、考えてみると、ドローンやGPSだって、最初は軍事利用目的の遠く離れた存在だったはず。それが、いつのまにか身近に目にする製品技術となりました。Paintcam Eveのようなセキュリティカメラが、当たり前に設置運用される未来だってあるのかもしれませんよ。 Source: Paintcam Eve
湯木進悟