「元気だった息子を返して…」息子がタイで転落死 初の海外勤務での未経験業務、150時間の時間外労働で「労災認定」『ポジティブ日記』に記された苦悩 母親が悲痛な訴え「何とか毎日良いこと見つけて、生きのびようと」
亡くなる前の約1カ月間に記していた“ポジティブ日記”「今になって父の子で良かったと思う」
「亡くなる前、3月28日から4月25日までつけていた『一日三行ポジティブ日記』には、何とか毎日良いことを見つけて、生きのびようとしていた気持ちが伝わってきました。最終ページには『父親に感謝を伝える。かなり長い時間プレッシャーの中で働くことの大変さに気づいて、今まで距離をとってきたことを申し訳なく思った。誰よりも真面目で辛抱強い父だと今さらながら気づいた。なんとか感謝を伝えたい。今、俺は仕事が全然できなくて、毎回怒られてばかりで、とても辛い。今になって父の子で良かったと思う』」 「日本は少子化が急速に進んでおり、海外事業の拡大が、企業の成長には欠かせない時代です。海外勤務の問題点は、労働時間の管理や、言語や生活習慣の違い、渡航先の安全性、派遣される社員のメンタルフォローなど、今後取り組む必要性があると思います」 「会社には、従業員一人一人、大事な家族がいることを決して忘れないでほしい。元気だった息子を返して下さい。それが叶わないのであれば、原因や問題点を考え、改善案を作成し、二度と犠牲者を出さない決意を社会に発信してほしい。それが社会的責任ではないでしょうか。過労死がない未来、息子の命が生かされるよう、海外での働き方に関心を寄せていただければ幸いです」 「過労死等防止対策推進シンポジウム」は、関西各地でも開催されます。 大阪会場:11月18日(月)グランフロント大阪 北館 京都会場:11月22日(金)池坊短期大学 兵庫会場:11月22日(金)神戸市産業振興センター 奈良会場:11月13日(水)奈良公園バスターミナル 和歌山会場:11月27日(水)和歌山ビッグ愛 滋賀会場:11月28日(木)栗東芸術文化会館さきら (MBS報道センター 松本陸)