ハリセンボン箕輪はるかが語る相方、近藤春菜への思い「普段言わないので照れくさい」
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 女性お笑いコンビ、ハリセンボン箕輪はるか(44)がピンでの活動を活性化させている。 あくまでコンビ活動が軸というが、昨年は単独でのテレビ出演や講演会、ソロライブ、イベント出演などが増加。講演会出演やソロライブ開催はデビュー20年目で初の出来事だった。このほど行った取材ではそうした活動についてや、相方、近藤春菜(41)への思いについても赤裸々に明かしてくれた。 重機好きが生きた建設会社での講演会、読書好きから生まれた図書館主催イベント出演など個性が仕事につながった。「温めてきたことが仕事に結びついてうれしかったです。1人でできるかなという不安はもちろんありましたけど、パワーポイントを作ってまとめたり、やったことがなかったことだったので楽しかったです」と笑顔で振り返った。 講演会では「自分らしさを出そう」とブレークタイムで得意のけん玉も披露するなどして楽しませた。講話では「好きなものを持っていると人生楽しいよ、という感じの話をしましたね。1人で90分間話すことなんてなかなかないですし、ツッコミもないので。でも、準備したことは出せたかなと思います。私に注目してくださっているお客さんもいるんだということが分かりましたし、これからも継続して深めていけたら」と手応えもにじませた。 デビュー20周年を迎えたコンビでは、軽やかなツッコミで笑いを誘い、私生活も活発で交友関係も広い春菜の方が目立ちがちだった。「コンビの時は春菜がいれば大丈夫」と信頼を寄せており「1人のイベントでも春菜がいたらツッコんでいただろうなと思う部分はありました。なので(冒頭の)つかみで『どうも、ホラン千秋です』っていうのを毎回やっていましたね(笑い)。笑っていいんだよっていうのを早めに示していって。あ、昔は堀北真希さんだと言っていた時期もありましたね。時代に合わせて少し変えていっています。気になるところをしっかりツッコミで押さえていく春菜はあらためてすごいなと思いました。あんまり普段言わないので照れくさいですね」と笑った。 2人の関係性については「女性芸人では珍しく私生活はお互いよくわかりません。良い距離感で付き合っています」といい「好みも違いますし、ライブとかで最近、何をしていたかが分かったり。楽屋で誰かと話しているのを聞いて、ライブ行ったんだと知ったり。それを楽しみにしているところもあります」。活発に活動する春菜の姿に「楽しんでいるなという安心感というか、我慢していたら気の毒なので。楽しんでくれているほうが仕事も良い方向にいくと思いますし。私はあんまり友達がいないですし、1人行動が好きです。フラッとお店に入ったり、旅行に行ったり。最近は夏に山形に行ったんですよ。ホテルの近くのお寺に人面魚がいる池があって、行ってみたらたまたまコイが近くに来て、それが人面魚だったんです」。 女性芸人で戦う大喜利大会「IPPONグランプリ」で優勝するなど、これまでも才能の片りんを見せることは多かった。「養成所時代から好きだったんです」。昨年末の20周年記念ライブでも「新しい大喜利をみせたい」と語り、箱からの脱出マジックを行いながらの大喜利などを披露し、爆笑をさらった。 そして、はるかといえばデビュー当初からトレードマークとしてきた神経が死んで黒ずんだ前歯からくる“死に神キャラ”も特徴のひとつだった。小学生時代に転んでぶつけたことが原因となっていたものだったが、2015年に番組企画で治療し、今は白い歯が並ぶ。「治療前に春菜に相談したら『やればいいじゃん。いつするのかなと思っているよ』と言われて、あ、そうなんだと気持ちが軽くなりました。キャラクターを守らないといけないのかなとかは自分だけが気にしていたことで、周りの方が背中を押してくれて。歯医者の方からも、いつ抜け落ちるかわかりませんと言われていたので。今はブリッジと言って、問題の歯だけを抜いて、周囲の歯と3本でつながっているものをつけています。素材はスペースシャトルの外壁と同じらしいので、私が宇宙に行っても歯だけは残りますよ」と笑顔で語った。 2024年は吉本興業からGATEへと所属を移して本格的に活動した1年でもあった。「どういう仕事をどういう気持ちでやっていくか、深く話してできています」と語り、「先のことはあんまり考えないタイプですけど、昨年1人の仕事もいろいろとやらせていただいて、春菜だけの仕事ももちろんあるので、また2人で会った時にお互いの刺激にもなると思います。引き続き2人とも力をつけられるようにやっていけたらいいですね」。 デビューからの25年間は「あっという間でした」とかみしめた。「ずっと若手みたいな気持ちですし、気づいたら20年やっているんだなという感じはします。M-1に出られたとかそういうところから芸人としてやっていけるのかなという自信につながっていきましたし、これからも基本はコンビで楽しくお仕事できることを目指して、お互いの仕事も頑張ってやらせていただいて、いろいろと幅広いコンビなりたいなと思います」と力を込めた。個人では演技にも興味があるという。 まさに“春菜だけじゃね~よ”といった活躍をみせた2024年だった。最後に今や春菜の鉄板芸ともなった「-じゃね~よ」についての秘話も教えてくれた。「あれがあるので、コンビとしては安心で。私は特に何もしないですけど、いつも心の中で『頑張れ~!』と思っています。誰かに振られたら『(返しは)あれだぞ』とか心の中で思ったり。私も似てるものではエジプトの壁画とかカッパとかあるんですよ。全部この世のものじゃないですけど(笑い)。春菜が角野卓造さんに似ているというのは、まだ1、2年目の頃に同期の女の子でものまね番組のオーディションに行くとなった時に、みんなでそれぞれが誰に似ているかという話になった時に初めて出たんです。『角野卓造さんに似てない?』みたいな。それがのちに『-じゃね~よ』のネタにつながっていきました。この前、数えたら似ているものが30以上ありましたね。いろんな企画にしてもらえるくらい代名詞になったので私もうれしく思っています」。 20年たっても、見た目や事務所が変わっても、引っ張りだこのハリセンボン。これからもゆるやかに、2人は活動を続けていく。【松尾幸之介】