アイドル卒業 指原莉乃に期待できる理由
HKT48の指原莉乃が28日に横浜スタジアムで行われた卒業コンサート『~さよなら、指原莉乃~』で、約11年半に渡ったアイドル活動から巣立った。
引きこもりで落ちこぼれの少女がトップアイドルに
この日に向けて48グループの総合プロデューサー・秋元康氏がコメントを寄せたが、その内容が印象深い。「『AKB48とは高橋みなみのことである』と言ったことがあります。決して、器用ではない高橋みなみが夢のためにただひたすら努力する姿が、まさにAKB48のコンセプトだったからです。そして、今は『AKB48とは指原莉乃のことである』と言えるでしょう。引きこもりで落ちこぼれだったアイドルヲタクの少女が一念発起して自らがトップアイドルになり、後進を育てるプロデューサーになったんですから」 2007年にAKB48 第二回研究生(5期生)オーディションに合格し、翌08年にはチームBに加入、「大声ダイヤモンド」で初選抜入りを飾った。以後、指原がアイドル界で果たしてきた役割は大きい。アイドルというジャンルは歌やドラマといった作品よりも本人の生き様やキャラクター、自分自身がまず商品であるという部分を持つが、指原はその意味でもアイドルそのものだった。
プロデュースしたイベントにアイドル勢揃いも
もともと小学生の頃にモーニング娘。からハロー!プロジェクトにハマり、一部ハロプロファン界隈でも熱心な“女ヲタ”として知られていた指原。AKB48の冠番組「AKBINGO!」(日本テレビ系)内の第2回「ザ・AKBEST10」では「指原莉乃の『ヲタ芸』」が2位に輝いたが、披露したヲタ芸はまさにヲタクそのもの。他にもバックヤードで高城亜樹にヲタ芸指南をする指原の様子がメイキング映像に収められるなど、指原が筋金入りのヲタクであることはAKB48とアイドル界にとって大きかった。指原の加入当時は、ハロプロとAKB48グループの間には冷戦状態といえるような微妙な空気が流れていたが、そんなアイドル界もアイドルヲタクの指原が「笑っていいとも!」のレギュラーになったり、メジャーにのし上がっていくうちに、いい意味で壁が崩れていった。もちろん指原一人の力でそうなったわけではなく、業界のビジネス上の流れが根底にあったわけだが、指原は常にアイドル界のボーダーレス化を象徴する存在だったがゆえにそんな変化にもうまく乗れた。 2012年6月に日本武道館で開催された「指原莉乃プロデュース第一回ゆび祭り~アイドル臨時総会~」はそんな時代の流れを象徴するライブイベントだった。総合プロデューサー指原の呼びかけのもと、ハロプロから嗣永桃子、夏焼雅、鈴木愛理のユニット「Buono!」が参加したのをはじめ、私立恵比寿中学、乃木坂46、ぱすぽ☆、渡り廊下走り隊7、ももいろクローバーZ、東京女子流、SUPER☆GiRLS、アイドリング!!!が勢揃い、それぞれの個性が発揮された様子は圧巻だった。