眺望が美しい地に建った、ガレージ中心の邸宅【GARAGE LIFE】
海に通うライフスタイルから、ガレージ付きの別荘を建てようと計画したKさん。いつの日か、環境がよくなり移り住むように。ガレージライフとカーライフを満喫している邸宅を訪問した。神奈川県 K邸:山川設計 【家の詳細を見る】
■デザインが美しい注文住宅は、シンプルモダンにアクセントが加わった
神奈川県湘南地方に建てられたのはガレージ中心のガレージハウス。施主のKさんがGarageLifeの25年前に創刊した創刊号のフェラーリが保管されたガレージに刺激されて、将来はガレージを建築してフェラーリオーナーになると夢を持って仕事に励み、夢を実現した。 設計を担当したのはデザイナーズハウスやRCの注文住宅を得意とする『山川設計』の重量鉄骨造のガレージハウスだった。そのガレージに入るのは、3台のスーパーカー、フェラーリとロールスロイスのゴーストだった。 横浜市内で暮らしていたKさんは、ロングボードを趣味としていたことから週末になると湘南地方にボードを積んでクルマを走らせていた時に、将来は海の近くにガレージ付きの別荘を建てたいと考えていたのは今から約23年前のこと。そのためには資金をためようと35歳で独立して会社を経営、アルファ・ロメオやポルシェ964カレラ2などでサーキット走行を楽しんでいたが、夢をかなえる目標、リアリゼーションを実践。若くして起業してフェラーリを購入することを叶えた。 当時、住んでいた戸建てにはガレージがなかったので、将来はガレージハウスを建てたいと考えていたときにKさんの理想のデザインの家が『山川設計』の設計ということを調べいつかは『山川設計』で建てたいと20年間夢を持ち続け仕事に励んできた。そして友人にいい土地があったら声をかけてほしいと依頼していたところ、2017年に湘南地区の高台にまだ未公開の約100坪の土地の話をもらい「この土地を見に行って値段も聞かずに15分で決めました」とKさんは語る。
■既存のガレージシャッターは採用せず、エイジングされたロートアイアンのシャッターが
『山川設計』に注文したのは、1階をショールームのようなガレージにしてほしい。2階を日ごろの仕事の疲れを癒すことができるようにホテルのような設計に。そしてジャグジーを入れたいと要望して、お任せでデザインをしてもらったそうだ。重量鉄骨造2 階建てのガレージハウスは、近所の景観ともなじむようにシンプルでかつモダンなデザインのなかにエイジングされたアンティークなロートアイアンで造作したシャッターや格子が採用された。オーダーで製造されたガレージシャッターはモーターにより横方面にスライドさせると、そこにはクルマが4台入るスペースが現われ、隣接した書斎で仕事ができるようにプランニングされた。 2階は高台から富士山を正面に見ることができる借景を最大限活かして大きな窓を採用。天井には木材をめぐらして鉄骨を隠すなど『山川設計』らしいシンプルなデザインと、料理が好きなKさんのためにブラスデザインでオーダーしたアイランド型のキッチンが造作されている。そしてKさんが、日ごろの仕事を忘れるホテルライクが楽しめるウェルランド製のジャグジーが用意された。計画当初はセカンドハウスと考えていたが、あまりにも居心地がよく現在はKさんのメインの家となってしまっている。 現在、フェラーリ458スペチアーレや430スクーデリアなど数台所有しているK さんは、ポルシェを所有していた昔からサーキット走行を楽しみ、現在は年間10回ほどスポーツ走行を楽しんでいる。昔はガレージでオイル交換やサスペンションなども交換したそうだが、フェラーリはメカニックに依頼しているそうだ。 Kさんは「完成度の高い現在の高出力エンジンよりもV8エンジンのクルマでサーキット走行を走るのが楽しい」と、430スクーデリアで走行を楽しむほか、ガレージハウスに入らないフェラーリは自身で6棟の賃貸ガレージを建築して保管しているそうだ。 昔から夢をかなえてきたKさん。将来はリビングにF1マシンを飾りたいと語るが、その夢も叶えてしまいそうな勢いもある。今まで自分で設計してきた人生プランは確実に実践しているKさん。リアリゼーションをモットーに働き続けてきたKさんの夢の続きから目が離せない。