「人と違う」「空気を読まない」ことは悪いこと?同調圧力の怖さと負けずに生きる尊さを描いた名作【作者に聞いた】
中学生の頃から漫画を描いている腹ぺこ ららばい( @harapekoLullaby )さんは、X(旧Twitter) で漫画を公開している。2023年8月に投稿した「遥かなる空」は、3.5万超えのいいねが付いた人気漫画だ。皆が自分の本心を隠して仮面を被って生活しているが、ある日仮面を被らない転校生がやって来る。明るく振る舞う彼女だが次第にクラスで孤立してしまい、あるとき事件が起きてしまう…。本作が誕生したきっかけや自分らしく生きることなどについて、腹ぺこ ららばいさんにインタビューした。 【漫画】本編を読む ■コロナ渦のマスク生活と学生時代の構想が見事にリンクした「同調圧力」がテーマの本作 「同調圧力を題材にした仮面を被る世界のお話自体は、学生時代から構想してはいました」と話す作者の腹ぺこ ららばいさん。昨今のSNS事情にも関わる本作のテーマついて詳しく訊ねると「SNSは表向きは『自分らしさを表現できるツール!』という風に作られていますが、現状は『互いに監視し合うツール』になっている」と独自の考えを教えてくれた。 腹ぺこ ららばいさんはSNS自体が悪いと思っているのではなく使い方に問題があるとし、「多くの情報が手に入るようになり、他社と自分を必要以上に比較するようになってしまった。自分らしさの表現を守るためには、SNSは慎重に付き合う必要があると思います」と真の意味での自分らしく振る舞うことの難しさを語ってくれた。 SNSなどを使って自分を表現しやすい一方で、生きにくいと感じている人も少なからずいるであろう現実。「自分らしく生きようというのは、私は感動ではないかと思っています」と話す腹ぺこ ららばいさんは、自分自身が物語に感動した経験があるからこそ、漫画という自分らしさを手に入れることができたのだという。そして最後に「『自分が本当に感動するもの』が何かを知っていれば、自分らしさを忘れずに生きていけると思います」と自分らしさを求める読者に向けてメッセージを残してくれた。 本作に描かれている同調圧力に負けずに自分らしく生きることを選んだ主人公の姿、その勇気から得られる感動をぜひ感じてほしい。 取材協力:腹ぺこ ららばい(@harapekoLullaby)