統合した小学校の子ども達 放課後の過ごし方は 富山県人口100万人割れ時代
KNB北日本放送
今年、75年ぶりに人口100万人割れとなった富山県。 子どもたちの数も減り、学校をめぐる再編統合の動きが加速しています。 統合で大きくなった新しい学び舎で子どもたちの生活はどのように変化したのでしょうか。 梅本記者のリポートです。 先生「このあと、それぞれ、自分たちのグループにわかれて、飾り付けだったりお楽しみの準備だったりリハーサルだったり、そういうことをしていこうと思います」 教室ではけさ、楽しいクリスマス会の準備が始まりました。 「ここらへん貼っていいですか、ここらへん」 高岡市の五位小学校。 今年4月、元は3つの小学校、東五位・石堤・千鳥丘が統合して開校しました。 統合して8か月。 教室の子どもたちは、すっかりなじんでいる様子でした。 高岡市内の小学校は、この4年間で統合により5校減りました。 高岡市教育委員会は、今後も統合を進めながら少子化に対応した学校運営をめざすとしています。 新しい校舎で新しい友達と学ぶ子どもたちは。 児童「今まで5年間は同じクラスやったんですけど新しい仲間も増えて、とても勉強とかするのも新鮮な気持ちでできます」「なんか毎日違う友達とかと遊べるようになりました」「友達も増えたし楽しいです」 放課後。 正面玄関ではない別の出入り口から中に入ると、たくさんの子どもたちが。 東五位児童育成クラブ廣島美代子主任「保護者の方が仕事している間、こちらのほうで、待っていると」「結局、家族の代替えが、この学童です」 学童保育は、放課後、子どもたちが安心して過ごせる居場所となっています。 ただ、五位小学校には2つの学童保育が存在しています。
運営団体が統合前の旧校区ごとに分かれたままで、子どもたちも別々の教室に別れます。 過ごし方も異なり、東五位の学童保育は資格を持つ専門スタッフが予定を組みます。 漢字検定に挑戦したり、みんなで地域の人の話を聞いたり、遠足したりと、教育的にも充実した時間となるよう工夫しています。 児童「勉強したり遊んだり、楽しい時間です」「とても楽しい時間で同級生やほかの学年と楽しめる時間です」「いただきまーす」 大好きなおやつの時間も。 隣の教室にいる子どもたちとは、いっしょに食べたり、遊んだりできません。 児童「クラスとかで(旧千鳥丘小の児童と)同じだから、だから、別に学童だけ、別れるっていうのもなんか」「学童は、学校も一緒なら、学童も一緒でいいんじゃないかな、ちょっと思う、ところもある」 いっぽう、同じ高岡市の高陵小学校では、学校の統合にあわせて学童保育の運営団体をひとつにまとめました。 島田博子会長は、学校が統合したのに学童保育の活動内容が異なるのは違和感があると指摘します。 ただ、スタッフの質や活動方針など、「違い」を埋めるには一定の共通理解が必要との指摘もあります。 東五位児童育成クラブ廣島美代子主任「まず1年目なので、急にやっぱり、私たちも、戸惑ってしまっているところもあって、できませんが」「いずれは必ずまざってくるものだと、思っています」 学校の統合に伴って、必ず浮上する学童保育の統合問題。 そもそも県内の学童保育の運営は、多くが自治体から委託された社会福祉法人や住民組織などの団体が担っています。 朝日町と上市町は、町自体が運営しています。 今回の高岡市のように、学校が統合しても学童保育が統合しないケースは、KNBの調べで富山市と氷見市、魚津市含め4つの市にありました。 一方、南砺市は今年度、市内すべての学童保育を1つの団体が運営する体制に改めました。 学童のサービス格差を解消し、指導員を確保するためです。 学童保育に求められるニーズは、今後さらに高まるとみられています。 東五位児童育成クラブ廣島美代子主任「ますます、利用される方、増えると思います」 小学校の統合で見えてきた学童保育の運営課題。 子どもを社会で育てるという機運が高まる中、見過ごされがちな放課後の過ごし方に格差が生じないよう子ども中心の運営が求められています。 冬休みに入ると、平日以上に学童保育で過ごす時間が増えますからね。 単に預かるという目的を超え、教育的視点が大切になっているのかもしれませんね。