じわり人気…「お詫び最中」菓子店には“沈痛な面持ち”で訪れる客の姿 誠意はぎっしり詰まったあんこで表現
長野県信濃町古間の菓子店「菓子庵まつりや信濃町店」が「深く反省しております」などと皮の表面にプリントしたもなか「お詫(わ)び最中」を商品化し、じわり人気を広げている。 【写真】「深く反省しております」のパターンも
原料の小豆が値上がりする中でも「事態を重く受け止めます」という気持ちを込めて、あんこはぎっしり。おわびの際の定番商品に―と商魂たくましく売り込んでいる。
同店は和菓子や洋菓子を幅広く製造し、同町出身の俳人小林一茶(1763~1827年)の俳句をプリントしたもなかなども販売している。お詫び最中は「謝罪に持って行ける自社製品を作ろう」と運営会社の関幸博社長が発案し、昨夏に販売を始めた。
「誠に申し訳ございません」「改善に全力で取り組みます」など十数種類
もなかは1辺5センチの正方形で「この度は誠に申し訳ございません」「改善に全力で取り組みます」などとプリントした十数種類を用意した。1個80グラムで重量感を演出。あんこは小豆本来の風味と食感が出るよう試作を重ねた。「先方に誠意が伝わりますように」との思いを込め、手作業であんこを詰めているという。
焦った様子や沈痛な面持ちで購入する人も
週末を中心に「何だろう」「面白いね」と興味を持った家族連れや若者、観光客らが買い求める。一方、取引先への謝罪に持参するためか、焦った様子や沈痛な面持ちで購入する人もいるという。
西堀文子店長(64)は「いろいろな場面で使ってほしい。信濃町に訪れた人に面白いもなかをおいしく味わってもらいたい」としている。
1個300円。信濃町店の他、長野駅前店(長野市)、レストラン「みーるマ~マ」(同)でも取り扱う。問い合わせは信濃町店(電話026・255・2115)へ。