男子20キロ競歩の高橋英輝が現役引退 世界大会7回出場と長く競歩界をけん引 今後は地元・岩手で教員の道へ
富士通陸上競技部は21日、20キロ競歩男子で2016年リオ五輪、21年東京五輪代表の高橋英輝が現役を引退すると、同社のホームページで発表した。「思い出がたくさん詰まったチームを離れるのはとても寂しく、躊躇(ちゅうちょ)する気持ちもありましたが、これから自分自身が新しい場所で成長するために、周囲の方々と相談し、次の一歩を踏み出すことを決めました。これまで鍛えてきた自分なりの『歩型』で、未来に向けて歩みを進めている姿をお見せできるよう頑張りたいと思っています」とコメントを出した。 高橋は2015年に日本記録(当時)を樹立し、日本選手権の優勝は最多の6回。世界陸上は15年北京大会で初出場すると、17年ロンドン大会、19年ドーハ大会、22年オレゴン大会、23年ブダペスト大会と5大会連続出場。五輪も16年リオ大会、21年東京大会に出場し、長く第一線で活躍してきた。 東京五輪後は今夏のパリ五輪を目指して強化を進めてきたが、代表選考会となった2月の日本選手権では、6キロ付近で途中棄権。「今年に入り自分自身のパフォーマンスのベースが下がってきたことも実感していました。パリ2024オリンピックの選考会となった日本選手権競歩大会でゴールすることができずに挑戦を終えたとき、次の目標に向けて最初の一歩を踏み出したいという気持ちが強く心に浮かびました」ときっかけになったことを明かした。 今後については「地元である岩手県に戻り、教員として新しい一歩を踏み出す予定です。ゆくゆくは、自分にとって大切な存在となった陸上競技・競歩に関わり、次の世代の選手たちに、これまで自分がしてもらってきたことを返していければと考えています」とした。
報知新聞社