夏は農業、冬は観光業 信州での新たな取り組みが全国の人手不足解消の「試金石」【長野・山ノ内町】
人手不足を解消するため、特定技能外国人に冬のホテルで働いてもらう取り組みが山ノ内町の志賀高原で始まりました。夏は農業、冬は観光業。信州ならではの新たな働き方です。 山ノ内町にある「志賀高原プリンスホテル」集まったのは、インドネシアから来た特定技能外国人11人です。冬の繁忙期に働くためのオリエンテーションが開かれました。 ■志賀高原プリンスホテル 根岸優斗スーパーバイザー 「生活する上での注意点や、業務での注意点を説明させてもらえれば」 スキー場を併設するこちらのホテルでは、冬場の人手不足が課題でした。普段は、50人程の従業員もハイシーズンの冬の時期は、ホテル・スキー場併せて300人を超えるスタッフが必要となります。 ■志賀高原プリンスホテル 山崎浩史チーフマネジャー 「このような山奥なので人が集まりづらい。オーストラリアを中心としたインバウンド客が増えてきたことに、なかなか対応仕切れない部分があった」 志賀高原プリンスホテルは、今シーズンから本格的に特定技能外国人を受け入れています。インドネシアから来た11人は、レストランでの業務に当たります。 ■モハマド・ファトニさん(33) 「ここでちゃんと仕事がしたい。皆さんと仲良くしたい」 実はこの11人、元々ホテルで働こうと来日したのではありません。「特定技能・農業」の資格を持ち、県内の農家で春・夏・秋と働いています。ただ、閑散期となる「冬場の就労先探し」に悩んでいました。 ■モハマド・ズルフィカルさん(24) 「いちいち帰国するのはお金がかかるので」 「特定技能・農業」の資格では、農業関係の仕事にしか就くことが出来ず、過去には県外に仕事を求めたこともありました。そこで11人は、伊那市に本社を置く人材紹介会社の支援を受け、「特定技能・外食業」の資格を取得。冬は観光業に携わり、信州で働き続けることができるようになりました。 ■モハマド・ズルフィカルさん(24) 「(Q冬に働ける場があるのは?)うれしい。(長野で働く場所があれば)うれしい」 夏は農業・冬は観光業。信州での新たな取り組みが全国の人手不足解消の「試金石」となりそうです。