<リオ五輪速報>女子レスリング、吉田が決勝で敗れ4連覇ならず!
リオ五輪の女子レスリング、53kg級フリースタイルの決勝が18日(日本時間19日)現地が行われ、4連覇を狙う吉田沙保里(33、フリー)がヘレン・マルーリス(24、米国)に敗れ、銀メダル。前日、58kg級で成し遂げた伊調馨(32、ALSOK)に続く4連覇の偉業はならなかった。 決勝の相手は、準決勝でソフィア・マットソン(スウェーデン)を破ってきたマルーリス。過去、吉田は負けたことがないが、想定していたマットソンとは違う相手だ。それでも吉田に隙はなかった。第1ピリオドは、吉田がサイドから右足をとりに仕掛けた。ポイントにはならなかったが、マルーリスに口頭注意が与えられ、30秒のアクティビティタイムを封じて1ポイントを先制した。 1-0で迎えた第2ピリオドは、投げに出るときに逆にバックをとられ1-2で逆転を許す。さらに残り1分をきって場外に出されて1-4とされた。あとがなくなった吉田は、残り28秒から片足タックルに出たが、時間切れとなった。 吉田は試合直前にナーバスになり、リオに遅れてやってきた母との対面を求めるなど、試合前に極度の緊張に包まれていた。古傷などもあって決してコンディションはベストではなかった。 だが、吉田は決勝まで1ポイントも失わずに勝ち上がった。 初戦の2回戦、ナタリア・シニシン(アゼルバイジャン)戦では、第1ピリオドを1―0でリード、第2ピリオドは場外への押し出しや、高速タックルからの攻めでポイントを重ね4―0と判定勝利。続く準々決勝のイザベル・サンブ(セネガル)戦は、第1ピリオドでバックをとってからローリングで6ポイント、第2ピリオドもポイントを重ねて9―0と圧勝したが、途中、栄和人強化本部長がレフェリーに抗議してポイントを訂正させる場面もあった。準決勝では、ベツァベス・アルゲリョ(ベネズエラ)を高速の片足タックルからバック、寝技でポイントを確実に奪って6-0で下した。 一昨年、合宿へ向かう途中で亡くなった天国の父・栄勝さんへ金メダルを捧げることができなかった。 試合後、吉田はインタビューに涙で答えた。 「たくさんの方に応援していただいたのに銀メダルに終わって申し訳ないです。日本選手の主将として金メダルをとらなきゃいけなかったのにごめんなさい。自分の気持ちの中で、最後は勝てるだろうと思っていたんですが、取りかえしのつかないことになってしまった。(母親との話は?)ここまで連れてきてくれてありがとう、と言ってもらいました。日本の方々の声援も日の丸も聞こえたのに、自分の力を出し切れないで申し訳ないです」