伊藤蘭「娘・趣里の朝ドラ主演を喜んで、夫・水谷豊と〈ブギウギ見た?〉と確認し合う日々。もう少し余裕ができたら夫婦2人の時間も楽しみたい」
5年前にソロ歌手として再デビューし、この1年は、全国6都市のコンサートツアーに、初エッセイ本の出版にとチャレンジの連続だった伊藤蘭さん。「勇気を出して流れに飛びこめば運は開けていく」と語ります(構成=内山靖子 撮影=玉置順子(t-cube)) 【写真】一時預かり中の、趣里さんの飼い猫たち * * * * * * * ◆夫と娘は別次元かも 昨年嬉しかったことは、趣里がNHK連続テレビ小説のヒロインに決まったことですね。女優デビューして10年以上、一つ一つの仕事に真摯に向き合って、経験を糧にして頑張ってきた結果が朝ドラにつながった。本当に良かったと思います。 10代の頃はバレエに打ち込み、イギリスに留学したにもかかわらず、ケガでバレリーナへの道を諦めることになり……。帰国した当初は、なんとなく冴えない顔をしているなと思ってはいましたが、私たちの前で泣いている姿は一度も見たことがありません。 後に、趣里が当時のことを語っている記事を読んだ時、「ああ、よっぽどつらかったんだな」と胸が痛みました。 それでも、幼い頃から、先回りをして手出しはしないと決めていたんですよ。ひとり娘だとつい過干渉になってしまいがちですが、それだけはしたくないと思って。その代わり、娘が何かを求めてきたら、いつでも応えられるようにと心がけてきました。
目下、豊さんと私はお互いのスケジュールの都合に合わせて、バラバラに『ブギウギ』を見ています。特に感想を言い合うわけでもなく、「見た?」「見た」と確認し合うスタンスで(笑)。 先日は、うちにあるテレビが2台とも映らなくなるというハプニングが起きて、大騒ぎ。「すぐ、テレビを買いに行こう!」ということになりました。 家族3人で同じ仕事をしているものの、豊さんと趣里は、私とは別次元の俳優だと感じる時もあります。作品にもよりますが、私はひとつの役になりきるまでに、何度も試行錯誤を繰り返して格闘するタイプ。でも、夫と娘の場合は、瞬時に何かが降りてきているんじゃないかと思うのです。 もちろん、時間を費やして、目の前の役柄について考え抜いていることもわかります。ですので、夫や娘が出演したものは、ドラマでも舞台でも一観客として楽しく見させてもらっていて。 趣里はすでに独立した暮らしをしていますが、家族3人がそれぞれに充実しているのは、ありがたいことです。