[山口県]国府が男女とも逆転V 山口県中学校駅伝
県中学校駅伝大会(県中体連など主催)は4日、山口市の県セミナーパーククロスカントリーコース(男子6区間18キロ、女子5区間12キロ)であり、国府が男女共に最終区間で逆転し優勝を果たした。男子は4年連続4回目、女子は6年ぶり2回目。 男子の国府は4位でたすきを受けた6区のエース、栗本陽向が区間2位の選手に47秒の大差をつける圧倒的な走りで混戦を抜け出し逆転した。2位は周陽、3位は富田だった。 女子の国府は5位でたすきを受けたエースの5区達川世奈が10分0秒の好タイムで4人を抜き逆転した。2位は4区まで首位を走った高川学園、3位は富田だった。 男女の優勝校は12月15日に滋賀県である全国大会に出場する。 ■男子 エース圧巻の走り エースを前半区間に起用するのは駅伝のセオリーだが、国府は男女ともエースを最終区間に配置した。理由を問われた木原由美監督は笑顔で応えた。「それが楽しいんですよ」。指揮官の狙い通り、男女ともエースが期待に応えて劇的な逆転劇で栄冠をつかんだ。 「男子は栗本陽向、女子は達川世奈が最後に控えていれば他の選手が安心して力が出せる」と木原監督。オーダーは総合力が昨年に比べて劣るというチーム事情を考慮したものでもあった。 男子は栗本にたすきが渡った時点で首位とは34秒差の4位。「思っていたより離れていたけど行くしかない」と積極的なレースを見せて中間地点付近で首位に立つと、並走せずに突き放す。「その後は後続の足音は聞こえなかった」。9分1秒の圧倒的な走りでチームを4連覇に導いた。 直前に行われた女子のレースでは達川が58秒差を逆転しているのも刺激になったと振り返る。大役を果たした男子のエースは「重圧に打ち勝ち、自分の力を出すことができた」と汗を拭った。 ■女子 最終区で4人抜き 女子の最終5区を任された国府のエース、達川世奈は58秒差の5位でたすきを受けても落ち着いていた。2キロ地点までに4人を抜いて逆転優勝。「1分差くらいならいけると確信していた」という木原由美監督の期待に応える圧巻の走りだった。 「ラストにいると思ったら安心して走れた」という4区の小松美空からたすきを受けると、「うちの並みの男子より全然速い」(木原監督)という走力を発揮し、猛然と前を追った。 「1人目はすぐ抜いたけど、2人目以降はまだ見えなかった」。それでも着実に先頭との距離を縮め、「残り1キロ、下り坂の後の平面でとらえた」。ゴール直前のアナウンスで「1位、国府」が呼ばれると、会場はどよめき立った。 「みんなで全国を勝ち取ろうと話していたのでうれしい」と達川。次は全国の舞台でアベック入賞を目指す。 (末広諒子) 【男子成績】 ①国府(平尾、石川、西村、渡辺、大浜、栗本)59分26秒 ②周陽 59分59秒 ③富田 1時間17秒 ④浅江 1時間40秒 ⑤鴻南 1時間1分26秒 ⑥萩東 1時間2分22秒 ⑦高川学園 1時間2分40秒 ⑧大和 1時間2分47秒 ▼区間賞(距離は全て3キロ) 1区 松本優哉(西岐波)9分19秒 2区 西本新(周陽)9分37秒 3区 久野陽向(富田)9分42秒 4区 森重翔太(富田)10分8秒 5区 大浜悠生(国府)10分0秒 6区 栗本陽向(国府)9分1秒 【女子成績】 ①国府(月精、原、石田、小松、達川)44分45秒 ②高川学園 45分16秒 ③富田 45分23秒 ④鴻南 45分45秒 ⑤萩東 46分55秒 ⑥柳井 47分24秒 ⑦深川 47分45秒 ⑧岐陽 48分10秒 ▼区間賞 1区(3キロ)島野玲菜(高川学園)10分37秒 2区(2キロ)橋本亜海(末武)木輪希々叶(富田)7分26秒 3区(2キロ)山本梓希(高川学園)7分32秒 4区(2キロ)河村歩乃花(萩東)7分23秒 5区(3キロ)達川世奈(国府)10分0秒