ジェイテクトの開幕2連戦のシングルスを託された小川翔悟

「バドミントンS/Jリーグ2023」が11月4日に開幕。大会2日目となる11月5日の刈谷大会では、前日に続いて男子Jブロックの3試合と女子Sブロックの3試合が行なわれた。ここでは、男子の熱戦の模様をダイジェストでお伝えする。 会場の注目を集めたのは、地元開催のジェイテクトだったが、三菱自動車京都との一戦は、冷や汗ものの展開となった。第1ダブルスに起用した宮嶋航太郎／佐野大輔は、サイズのある西谷春樹とサウスポーの外川賢輝のペアに苦戦し、19-21、16-21のストレートで敗戦。常山明良がベンチから盛り上げる三菱自動車京都は勢いに乗り、シングルスも主将の常塚光が、ジェイテクトの小川翔梧を相手に第1ゲーム20-17とリード。あと1点で大きなプレッシャーを与えられる状況に持ち込んだ。 ところが、前日にも6-14から10連続得点でスコアをひっくり返すなどねばり腰を見せた小川翔が22-20で競り勝ってゲームを先取。相手の流れを断ち切った。ジェイテクトは、シングルスのエース西本拳太をベンチに置いたオーダー。あわや大失策となるピンチだったが、乗り越えた。また、シングルスの第2ゲーム以降は、ベンチの村本竜馬が得点の度に踊りながら応援コールを送り、会場を和ませた。緊張感が漂っていた応援席がポジティブな姿勢に変わると、小川翔は2-0のストレートで勝利。第2ダブルスも野田悠斗／相澤桃李の長身ペアが、内田裕太郎／三上楓に2-0。ジェイテクトが2-1の逆転勝利に持ち込み、2連勝を飾った。 西本、村本という日本代表2人をベンチに置いて2日連続でシングルスを任された小川翔は「流れが悪い状態で試合に入って、思うプレーができなかったが、終盤は開き直った。シンプルに早く（さわる）ということができた。第1ゲームを逆転できて（第2ゲームからは）村本さんの応援もすごくて、ちょっと笑いそうになったけど、流れを持ってこれた。応援も含めた勝利だったと思う」と総力戦を強調した。 ジェイテクトと同じブロックでライバルとなるNTT東日本は、丸杉に3-0で完勝。前日からすべてメンバーを入れ替えたが、第1ダブルスの山下恭平／緑川大輝、シングルスの田中湧士、第2ダブルスの柴田一樹／山田尚輝が、すべて2-0で勝利を収めて選手層の厚さを見せつけた。「チームは、ここまで桃田（賢斗）さんに引っ張ってきてもらっている。自分が、自分がという強い気持ちを持って頑張っていきたい」と話した田中は、昨季の新人賞で長身から繰り出す攻撃力が武器の佐藤雄輝を21-3、21-12で翻ろう。プレーでも会場を沸かせた。 また、田中は試合開始前に『可愛くてごめん』（Honey Works）の音楽に乗って、大きく手を振る行進スタイルでチームが入場した際、スタンドの四方に手を振った場面を振り返り「入場行進から、ほかのチームに負けない入場ができたはず。会場を味方につけることができたかなと思う」と演出面でも存在をアピール。リーグの象徴的選手への成長に意欲を示した。 開幕2日間の結果を振り返ると、優勝をねらうジェイテクトとNTT東日本が2連勝、豊田通商と金沢学院クラブが1勝1敗、丸杉と三菱自動車京都が2敗。序盤の立ち位置からどんな変化が見られるか、注目だ。