借金、横領、風俗通い…パートナーの死後に発覚した秘密 どこまで許せる?デジタル遺品“生前整理”の必要は
■亡くなったパートナーの秘密どう発覚?
亡くなったパートナーの秘密は、どのように発覚するのか。「未払い請求などがないかスマホを確認中に、不倫の証拠となる画像が発覚」「配偶者が亡くなったことを誰に知らせればいいのかSNSをチェック中に女性とのやりとりを発見」「亡くなった夫の戸籍謄本から隠し子の存在が発覚」「通帳を確認中、知らない異性に金を振り込んでいた」などのパターンがある。 これまで4万件以上の相談を受けてきた夫婦問題研究家の岡野あつこ氏は、「死後に秘密が発覚して、今まで仲が良かったと思っていたのに、ガラガラと崩れることは結構ある」と語る。「貯金通帳の整理で、消費者金融からの借金や、愛人の存在がわかる場合もある」と具体例を挙げた。 遺品で知るケースもあるが、「友達から『今まで黙ってたんだけど』と言われることもある。親切心で黙っていられず言ってくる。正義感なのだろうが、そういう人も多い」そうだ。 作家の乙武洋匡氏は、ペンギンさんの話を聞いて、「隠し事なく話し合える関係だけが、本当の絆なのか」と疑問を投げかける。「大切に思うからこそ、相手に言えないこともある。犯罪に触れていたショックはあるが、だからと言って『絆が築けなかった』とまでは思わなくていいと、お節介ながら思った」。 これにペンギンさんは、「相手を思って隠すこともあるが、ある程度の見通しがつくのでは」と返す。「返済計画が追いつかず、相手に影響してしまう。どこかでバレる場合には、打ち明けてほしい。結婚前からの借金だったので、打ち明ける選択肢を持ってほしかった。ケンカになったとしても、ともに旅する仲間でありたかった」と心中を明かした。
■デジタル遺品の生前整理
デジタル遺品の生前整理としては、「アカウントやデータの所在などをエンディングノートに書き残す」「見られたくないデータにはパスワードをかける」「写真や動画は定期的に削除」「第三者(弁護士・司法書士・民間業者)と死後事務委任契約を結び処分をお願いする」「SNSの追悼アカウントの設定(Facebook・Instagram)生前に管理人を指定」などが挙げられる。 深澤諭史弁護士によると、スマホやPCのパスワードを開けて見ることは法律上問題ない。ただし、故人が契約していた外部のオンラインサービスにログインすると不正アクセス禁止法違反になる可能性があるとのこと。 ペンギンさんの夫は、スマホのパスワードをエンディングノートに記していた。「連絡先や銀行口座、暗証番号を書いて、相手が困らないようにした。同級生の母親が亡くなって、情報を探して、手続きをこなすのが大変だったと聞いてから、1冊にまとめた」という。しかし「生前にスマホを見たことは一度もなく、見ようと思ったこともない」そうだ。 では、もし生前に秘密を知っていたら、どうしていたか。「結婚前なら、結婚期間中ならと色々考えたが、その場になってみないと結局わからない」。しかし一方で「『なんで』と理由を聞いたり、『今後どうする気か』と意思を聞いたりするだろう。そこでごまかすなど適当な返事ならば、ちょっと悩んでしまう」とも語る。 岡野氏は「亡くなった人を悪く思うことは、自分の中でも嫌だと思う。折り合いを付けて、いい所だけを思い出す。『故人の代わりに全部始末した。私たち夫婦はこれで良かった』と思うしかない」と、ペンギンさんにエールを送った。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部