「火に油を注ぐ天才」注いだ先は…国民民主党10分で退席 「103万円の壁」協議決裂か
「103万円の壁」の見直しを巡る与党と国民民主党の6度目の協議はわずか10分で打ち切りとなりました。与党は週内に税制改正大綱をまとめたい考えですが、先が見通せない状況になっています。 【画像】駆け引き?本当に決裂?緊迫する3党協議 強気の国民民主党に揺さぶられる与党
■新たな提案なしで協議10分で打ち切り
自民・公明の「少数与党」が、国民民主党などの賛成を得て、本年度の補正予算を成立させました。 前提となったのが、「年収103万円の壁」を「178万円を目指して」来年から引き上げるという3党合意です。 しかし、6度目となる17日の3党協議で、国民民主党の古川元久税制調査会長は開始10分で席を立ったというのです。 国民民主党 古川税制調査会長 「協議は打ち切りです」 その真意を聞こうと報道陣が待ち構えましたが、会見はありませんでした。一体、何が起こったのでしょうか。 自民党の宮沢洋一税調会長は次のように話しました。 宮沢税調会長 「『新たな提案がないのであれば、これ以上、協議はできません』と、お帰りになった」 先週の協議で与党側は「103万円」から「123万円」まで引き上げることを提案。しかし国民民主側は「178万円にはほど遠い」と、つっぱねていました。 17日の協議では、与党がどこまで歩み寄れるかが注目されていましたが、新たな提案はありませんでした。 協議決裂後、古川氏は同僚議員に事の顛末(てんまつ)を説明しました。 古川税調会長 「『これ以上の協議はやめます』と、『打ち切りとさせていただきます』と通告をして席を立って参りました」 国民民主党 榛葉賀津也幹事長 「あれだけ温厚な古川さんが怒るというのは、火に油を注ぐ天才だね。火に油を注ぐ、その油の注いだ先は我々、国民民主党や古川さんじゃなくて、国民が一番怒ってんじゃないの」 国民民主党は、協議の場に戻るのでしょうか。
■退席は与党への揺さぶり?それとも協議決裂?
ただ政府・与党には一部、うがった見方もあります。 与党ベテラン議員 「向こうは席を立つことを最初から決めていたんじゃないか。そういう交渉の手法というか」 3党協議に先立って行われた参議院の予算委員会で、国民民主党の伊藤孝恵議員は協議の決裂を示唆していました。 伊藤議員 「きょうもこの後、3党協議が行われるが、『123万円で着地』という提示が続くのであれば、我々は協議を打ち切るということも含めて腹をくくっている」 協議の席を立ったのは、与党を揺さぶる駆け引きなのか、それとも本当に決裂してしまうのでしょうか。 自民党の税制調査会は、幹部だけによる会合を開きました。すると、後藤小委員長は次のように話しました。 自民党 税調 後藤茂之小委員長 「やはり178万円に向かって8兆円の大きな財源に穴を開けるということは、現実的に責任ある政策運営、ガバナビリティー(管理能力)から言うと、やはり難しいと思う」 “178万円は現実的ではない”といいます。対する国民民主党は強気です。 榛葉幹事長 「(Q.来年度の本予算への対応は?)とても無理だね、このままでは。それを自民党がどう考えるか。その後には参議院選挙があるからね」 (「グッド!モーニング」2024年12月18日放送分より)
テレビ朝日