追放されたらモテると聞いたのに！パーティーから抜けられない!?

パーティー(行動をともにするグループ)から追放されたら、今よりもっと楽しい人生になったというストーリーの「追放系」異世界漫画。しかし、今回紹介する山田肌襦袢(@jujujuban)さんの「最強勇者パーティーは愛が知りたい」は、モテたいがゆえ、勇者パーティーから追放されたい魔法使いと、絶対に追放しない勇者との攻防!?を描く。本作は現在漫画アプリ「GANMA！」で連載中とともに、2024年11月25日(月)には待望の第2巻が発売となる。王道系とは違うちょっとクセ強なキャラたちが、斜め上を行くラブコメを展開する。今回は、山田肌襦袢さんに制作のきっかけなど話を聞く。 【漫画】最強勇者は、魔法使いを絶対に追放しない!! ■魔王も討伐したし、そろそろモテたいので勇者パーティーから追放してください！ 魔王討伐後、平和になったおかげで勇者パーティーも暇を持て余していた。そこに、勇者・シャーユのパーティーに所属する魔法使いのイツカが「追放してください!!」と頼み込む。なぜなら、勇者パーティーを追放されると「モテる」というのがストーリーの定説だからだ。 本作は「パーティーを追放されたらモテる」という人気テーマの真逆の展開「追放させない」ところがみどころ。山田肌襦袢さんに本作の着想を聞くと、「一番最初は、SNSで見かけたコメントです。異世界転生系の漫画広告に『また追放系か』というリプライがついていました。『追放されなかったら、この人は読んでくれるんだろうか？』と思ったのがきっかけです。王道の逆張り展開が好きだというものあります」と、話す。 前作の「27歳OL、異世界で遊女の管理はじめます」でも、異世界転生系の王道とはひと味違い、転生したのは悪人側のサブキャラだった。「私はフィクションにおいて『苦手な表現』『苦手な描き方」がほとんどないので、おすすめされればなんでも好きになり、こだわりを語られれば、なんでも興味を持つ方です。そんなオタク生活を続ければ続けるほど『オタクにしか伝わらないけど大好きなもの』が両腕で抱えきれないほどになってきました。いわゆるネットスラングでの『性癖』とか『フェチ』というものです。抱えきれないなら出していこうと思いました。これは性癖の布教漫画です」と、今回の勇者パーティーを描くきっかけを語る。 イケメンな女勇者、ただモテたい魔法使い、他種族の弓使いなど、なかなかクセ強な勇者パーティーも見もの。「タイトルにもあるようにいろんなものにいろんな方向の『愛』を持っている人たちを出すようにしています。それぞれになにかしらのこだわりがあり、ポリシーがあり、譲れないものがある人たちです。強火オタクです」(山田肌襦袢さん)。彼らは最強勇者パーティーというだけあり、多方面において最強なところが、またおもしろい。 本作では、女勇者→→→→→魔法使いのじれったいラブコメ展開で、「モテたい」と豪語するイツカは勇者の「好き」という言葉には全くなびかない無自覚モテキャラ。「イツカの好みは、わりと平均的なヘテロセクシャルの男性と同じだと思います。かわいくて胸が大きくてたおやかで守ってあげたい印象があって…という感じですね。ただ、多分そういう子が目の前に来ても、『なんか違う』とか言います」と、一筋縄ではいかなそうな恋の行方にも注目したい。 今後の展開を聞くと、「もっといっぱいヘキの尖った転生勇者たちを出しつつ、勇者パーティー個人個人の話も差し込んでいけたらなと思っています。人間以外の種族のキャラクターもいっぱい描きたいですね！せっかくの異世界なので！」と、山田肌襦袢さん。 テンポのよい物語とコメディと癖要素が詰まった本作。「現在、少しお休みをいただいていますが、うれしいお知らせとともにもう一段ギアを上げてテンション高く戻ってまいりますので、またよろしくお願いいたします！」と、メッセージを寄せた。 取材協力：山田肌襦袢(@jujujuban)