1時間73ミリの激しい雨…「河川氾濫×内水氾濫」で被害拡大か 岐阜県池田町の住宅地等で起きた広範囲の浸水
原田守啓准教授: 「杭瀬川だけではなくて、降った雨が低い土地に集まってしまって浸水する『内水氾濫』も同時多発的に起こっています」 原田准教授は、記録的な大雨により町内を流れる杭瀬川と東川の合流点付近で氾濫が起き、さらに同時多発的に『内水氾濫』が起こり、被害が拡大したとみています。
今回浸水被害が発生した西濃地域は、山と川の堤防などにはさまれ、緩やかな勾配がある土地が低い地域でした。 川の水位も上がるなかで、1時間に70ミリ近い大量の雨が降ったため、雨水が川に排水できずにあふれる内水氾濫も同時多発的に発生したといいます。
この浸水被害、原田准教授は「雨雲の動き次第で、他の地域でも同様の被害の可能性があった」と話します。 原田守啓准教授: 「今回の雨が仮に少し東の方にそれていたら、例えば岐阜市や羽島市、木曽川の向こう側の愛知県の方にもし雨雲がかかっていたとすると、同様の大きい浸水被害が起きたとしても何ら不思議はない、非常に激しい雨の降り方だった。今回たまたまこの地域に雨が降りましたけれども、同じような被害やもっとひどい被害が愛知県の方で起こっていても、何ら不思議ではなかったと考えています」 愛知や岐阜に広がる濃尾平野では、堤防や自然堤防に囲まれた低い土地が多く、降った雨がはけにくい特徴があるといい、同様の浸水被害がどこで起きても不思議ではないといいます。
原田守啓准教授: 「今回被害が発生してしまった岐阜県の西濃地域は、今も水田や農地が多く残る自然豊かな地域です。それだけ雨水が染み込んだりたまったりする場所が比較的多いエリアであっても、これだけの被害が出てしまった。もし同じ雨が、より開発が進んだ愛知県の都市部に降った時には、よりたくさんの水が一斉に川や排水路に集まってしまい、浸水被害もより大きくなることが予想されます」