コハクチョウが北帰行 長野県の犀川白鳥湖
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長野県安曇野市の犀川白鳥湖などに飛来していたコハクチョウの北帰行が22日までにほぼ終わり、今冬を過ごした数百羽がシベリアなどに旅立ちました。今年は暖冬の影響もあって長野県まで南下してくるコハクチョウは減少。それでも全国から写真撮影などに訪れるファンでにぎわい、2月以降の相次ぐ北帰行を見送りました。
今冬は暖冬などの影響で少なめ
安曇野市のコハクチョウの越冬地は犀川べりに白鳥湖と御宝殿遊水地の2か所あり、例年10月ごろ飛来します。飛来数などを確認している地元の「アルプス白鳥の会」によると、500羽から多いときは2000羽も数えます。今冬は昨年10月16日に飛来を確認しましたが、2月の一番多かったときで488羽と少なめでした。
白鳥の会事務局の会田仁(あいだ・まさし)さん(66)によると、今冬は福島県の阿賀野川流域や新潟県などで餌が豊富だったため、長野県まで餌を求めて飛来する数が減ったようです。新潟県では8~9月に刈り取った稲の株から再生した「ひこばえ」がよい餌になるため、雪が少ないときなどはさらに南下しないですむといいます。
犀川からの北帰行は2月19日から始まり、3月17日には残留のコハクチョウは10羽にまで減りました。北帰行が始まると数羽で何回も上空を飛び回る姿が見られ、犀川沿いにはカメラを構えた人たちが並びます。会田さんは「この時期は関西、名古屋、静岡などから訪れる人も多い。様子を尋ねる電話の対応で大忙しです」と話しています。 長野県への飛来は犀川のほかに諏訪湖や上田市の千曲川沿いなどでも一部確認されています。会田さんによると今冬は諏訪湖で100羽、上田市の千曲川沿いで50羽ほど確認できました。
■高越良一(たかごしりょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者を経てライターに。記者歴は報道部、支社局、朝夕刊デスクなど。この間2年地元テレビでニュース解説