スペースX、欧州の測位システム「ガリレオ」の衛星を打ち上げ ロケット1段目は使用20回目
■「ガリレオ」とは
ガリレオはEUのGNSS(衛星測位システム)です。GNSSはアメリカの「GPS」をはじめ、中国の「北斗(Beido)」、ロシアの「GLONASS(グロナス)」、日本の「QZSS(準天頂衛星システム)」、インドの「NavIC」が知られています。ガリレオはEUが資金を提供し、ESA(欧州宇宙機関)が衛星の設計や開発などを行っており、前述のEUSPAはガリレオのサービスを提供する役割を担っています。 ガリレオ衛星は2005年12月28日と2008年4月27日に試験機が打ち上げられたのに続いて、2011年10月21日に初めて運用機が打ち上げられました。ガリレオの初期サービスは2016年12月15日に開始されています。EUSPAのEuropean GNSS Service Centre(ヨーロッパGNSSサービスセンター)によると、現在軌道上にあるガリレオ衛星は合計30機で、そのうち23機が運用中です。 ESAによると、今回の打ち上げミッションはガリレオの新たなPublic Regulated Service(PRS、公共規制サービス)信号の送信が開始されてから数日後に実施されました。PRSは政府機関や機密性の高いアプリケーション用に設計されているということです。
■第2世代のガリレオ衛星
ガリレオ衛星には現在運用中の第1世代衛星と開発中の第2世代衛星があります。第1世代衛星は残り8機の打ち上げに向けて準備が進められています。ESAによると、第2世代衛星では電気推進を採用し、能力が向上したナビゲーションアンテナや改良された原子時計が搭載されており、Airbus Defence and Space(エアバス・ディフェンス・アンド・スペース)とThales Alenia Space(タレス・アレニア・スペース)が製造を行っています。第2世代のガリレオ衛星は、現在開発中の「Ariane6(アリアン6)」ロケットに搭載されて、2026年頃に打ち上げられる予定です。 Source EUSPA – EUSPA takes over the latest Galileo satellites in Launch and Early Orbit Phase (LEOP), after their successful injection into orbit ESA – Two new satellites join the Galileo constellation ESA – Galileo Second Generation satellites take place EUSPA – Constellation Status SpaceNews – Falcon 9 launches Galileo navigation satellites
出口隼詩 / sorae編集部