女子最年長38歳・荻原直子「卓球は運動神経が悪くても、おばさんでもできる」「卓球と仕事は共通する部分があって面白い」<全日本卓球2024>
<天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月22~28日 場所:東京体育館(東京)> 【写真】38歳で高校生に挑んだ荻原直子(北海道アスティーダ) 2024年全日本卓球選手権大会2日目、荻原直子(おぎはらなおこ・北海道アスティーダ)が女子シングルス1回戦に臨んだ。今大会一般女子シングルス最年長の38歳で、過去にはマスターズ優勝、全日本にも16回出場し20勝をあげている。 2023年インターハイベスト8の実力者・坂崎愛華(正智深谷高)に挑むも、ゲームカウント1-3で敗れた。
女子シングルス1回戦結果
荻原直子(北海道アスティーダ) 1-3 坂崎愛華(正智深谷高)〇 5-11/4-11/16-14/9-11
「すごい楽しかったです」
自身の半分ほどの年齢の高校生・坂崎が繰り出すわかりづらい巻き込みサービスに荻原は大苦戦。5点、4点でいきなり2ゲームを連取されてしまう。 「サービスがびっくりするくらいわからなくて(笑)」と序盤を振り返ったが、百戦錬磨の荻原は「レシーブのときに思い切り下がって待ちました。どうせ(早い打点で)取れないから下がろうみたいな感じで」と3ゲーム目からレシーブの展開をガラリと変え、ラリーに持ち込み流れを引き戻す。 3ゲーム目の長いデュースを粘り切り16-14で奪うと、4ゲーム目も接戦に。最後は地力で上回る坂崎に9-11で逃げ切られたが、巧みな試合運びで互角の展開に持ち込んだ。 「強い高校生と聞いていましたし、向こうは真剣に取り組んできている中、こんなおばさんと当たってごめんね、って感じでした(笑)。でもすごい楽しかったです。全日本は毎回楽しくて、この空気の中にいるだけで『すごいなあ、卓球やってて良かったなあ』みたいな感じです(笑)」と冗談を交えながら笑顔で17回目の全日本を振り返った。
運動神経が悪い分、勝つためにどうすればいいかを考え抜いた
38歳で全日本に出場し若手選手に肉薄するなど、まだまだ高い実力を備えている荻原だが、実は“運動音痴”で卓球以外はからっきしだと語る。 「私、本当に運動ができないんですけど、卓球をやってたおかげでいろんなところに行けたりいろんな人に出会えたりしました。『卓球は運動神経が悪くても、おばさんでもできるんだよ。そういう面白いスポーツなんだよ』というのを指導してる子にも伝えていけたらなと思ってます」。 運動能力が高くない中で“どうすれば勝てるのか”を考え抜いてきたことが、今の荻原の礎となっている。 「強い人のかっこいいプレーを見ると憧れるんですけど、自分に当てはめるとそれはできない。なので、“勝つこと”を目標にしてそのために必要なことを逆算してずっとやっていました。、技術がない分、昔から頭を使って必要な戦術やパターンをどんどん練習に落とし込んでやってましたね」。