対極でありながら相性のいいふたりの落語会『三遊亭白鳥 柳家三三 二人会』
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。 【水先案内人 山本益博のおススメ】 三遊亭白鳥は新作派、柳家三三は古典派と言われているが、昨年のこの二人会へ出かけると、それが勝手な思い込みであることを知らされた。 三三が高座にかけたのは、白鳥作の『任侠流れの豚次伝』第1話「豚次誕生秩父でブー!」だった。三三のアクションをたっぷり織り込んだ噺の展開に引き込まれた。豚次伝の第2話第3話を聴きたくなったのは言うまでもない。 その後に高座に上がった白鳥が演じたのが、なんと『お初徳兵衛」。夏になると多くの落語家が高座にかける『船徳』の原作である人情噺である。白鳥の口調で聴く『お初徳兵衛』は、今まで聴いたことのない雰囲気を醸し出し面白かった。 今回も同じ趣向で二人会を構成するのだろうか?三三がまた白鳥の新作を演り、白鳥が古典の名作に挑戦するだろうか?興味は尽きない。対極の高座でありながら、とても相性が良い二人、今年もまた楽しみである。 <公演情報> 『三遊亭白鳥 柳家三三 二人会』 2024年9月17日(火) 東京・北とぴあ つつじホール