トランプ氏「日本は非常に重要」…韓国は言及さえなかった(1)
米国のドナルド・トランプ次期大統領の初めての公式記者会見の主人公は日本だった。トランプ氏は16日(現地時間)、フロリダ州パーム・ビーチにあるマー・ア・ラゴの自宅で開かれた会見場にソフトバンクの孫正義会長と並んで入場して「日本は重要だ」として大統領就任前に石破茂首相とも会うと明らかにした。 トランプ氏は日本に続いて中国の習近平国家主席、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、さらには北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との親交の深さまで誇示した。しかし韓国に対する言及はただの一言もなかった。 ◇直接マイクの高さ調整…「記念碑的事件」 世界の関心が集中する中で開かれた初めての記者会見で、トランプ氏は1000億ドル(約15兆3500億円)の投資を決めた日本企業を前面に出した。孫氏と並んで立ったトランプ氏は「この歴史的な投資は米国の未来に対する自信を示す記念碑的事件」としながら、自ら孫氏にマイクまで渡した。この過程で背の低い孫氏を配慮して自らマイクの高さを調整したが、この場面は世界各国に生中継された。 マイクを渡された孫氏は「ビジネスと技術も重要だが、私が望むもう一つのことは、トランプ大統領が世界を再び平和にすること」としながら「日本国民も米国と日本のパートナーシップをより一層強固にすることができるようになり、誇らしく思うだろう」と話した。孫氏はトランプ氏が「投資額を2000億ドルに増やしてほしい」というと、「彼は本当に素晴らしい交渉家」と言って笑顔で答えた。 会見直後、孫氏はNHKとのインタビューで「昨日、トランプ氏と7時間ほど、朝から夕方まで(面会した)。朝食をともにするなどフレンドリーな時間を過ごした」と明らかにした。孫氏はAIデータセンターなどさまざまな投資が行われると説明して「トランプ氏にはこのあといろいろな会社から多くの提案がくると思う。最初に素早く行動することでいろいろなビジネスやパートナーシップを広げられる」と付け加えた。日本経済新聞は「ソフトバンクグループが日本勢として世界の技術革新を主導できるのかは正念場といえる」と評価した。 ◇昭恵夫人と会合…「石破首相待っている」 トランプ氏は前日、故安倍晋三元首相の妻、昭恵夫人とも会った。石破首相の早期会談要請を事実上断ったトランプ氏が昭恵夫人に先に会うと、日本では懸念の声が聞かれていた。しかし、孫氏の大規模投資を受けたトランプ氏はこのような懸念まで一度に終息させた。 トランプ氏は「昭恵夫人はファーストレディーであるメラニアと親しく、私は安倍首相と近かった」とし「(昭恵夫人との会合は)安倍首相に対する優遇次元」と話した。あわせて「石破首相には記念品と本を送った」とし「首相を非常に尊敬しており、会いたい。もし就任式前に会うことを願うなら、私はここで待っている」と話した。 安倍元首相は2016年米国に訪ねて行き、当選者だったトランプ氏と外国首脳のうちで初めて会い、個人的親交は両国首脳の強い「蜜月関係」に発展した。石破首相の早期訪米が実現する場合、日本はトランプ第2期でも確実なトランプの「友軍」に位置づく可能性がある。 トランプ氏は会見直後に、自身を長く後援してきた投資銀行出身のジョージ・グラス前ポルトガル大使を駐日大使に指名した。会見中にも「彼は非常に尊敬を受けている方」としながら「われわれは日本を大変重要だと考えている」と繰り返し強調した。 トランプ氏はこれに先立ち5日にはデービッド・パデュー元連邦上院議員を駐中大使に指名した。トランプ氏との「掛け橋」になる主要国大使がすべて確定したが、駐韓大使については下馬評も出ていない。トランプ氏は第1期の時も1年6カ月を過ぎてからハリー・ハリス元太平洋司令官を駐韓大使に指名した。当時は朴槿恵(パク・クネ)元大統領に対する弾劾政局が進行していた。尹大統領の職務が停止した現在の状況と似ている。