子どもが人前で話すことが得意になる<家族会議>の進め方。親子が「対等に意見を言い合える」環境づくりをプレゼンアドバイザーが解説
◆家族会議の心構え 家族会議の進め方はもちろん自由ですが、家族の誰もが楽しんで家族会議に臨めるようにするために、保護者の方に、頭の片隅にとどめておいていただきたい心構えを、ここでご提案します。 何を話す? ●テーマは何でもOK。 ●思っていること、感じたことを言葉にしやすい雰囲気づくりが重要。 いつ話す? ●週末や食後など、家族のみんながリラックスできる時間帯がおすすめ。 ●短時間で終わらせることもポイント。 ●お子さんが飽きてしまったら一旦終わりにするなど、無理強いしないことも大切。 どんなふうに? ●お子さんの考えや意見を知る機会だと考える。 ●テーマの解決を焦らず、対話そのものを楽しむ。 ●お子さんから保護者とは異なる意見が出ても、頭ごなしに否定しない。 「会議」という言葉を聞くと、難しい、堅苦しい印象があるかもしれません。 しかし、「家族会議」は、子どもたちが目的意識を持って自分の考えをまとめ、思いを伝える、とても良い機会になります。 そうした経験を積むことが、「話す力」のトレーニングになりますし、生活をともにする家族の中でもそれぞれが異なる意見を持っていることを知っていれば、学校や社会で、自分とは異なる意見に触れた時にも、端(はな)から否定するのではなく、異なる意見を理解しようという気持ちが生まれやすくなります。
◆高島市長の家族会議 2023年5月、兵庫県芦屋市で史上最年少の26歳の市長が誕生したことをニュースなどでご存じの方も多いと思います。 その市長・高島崚輔(りょうすけ)さんは、灘中・高から進学した東京大学を中退し、米ハーバード大学を卒業後、1年で自治体のトップに就任したという経歴も注目されていますが、この高島さんも、自身が育ったご家庭では、「家族会議」が実践されていたそうです。 例えば高島家では、お正月に自分で決めた1年間の目標の達成度をアピールし、それをもとにお年玉の額を交渉したり、家族旅行の行き先を決めたりしたとのこと。 灘中学を受験するかどうかについても、「家族会議」で方針を確認したといいます。 「両親はいつも、(自分を)子ども扱いせず、対等に接してくれて、子ども心にありがたかった」と述べた高島市長は、就任会見で「市長として大事にしたいこと」を問われ、「対話に尽きる」と語られていました。 自治体のトップとして、市民との対話と積極的な情報発信を重要と考える高島市長は、就任後、市役所の活動を積極的にSNSで発信されながら、市内の中学校を訪れて生徒たちと一緒に給食を食べながら話し合うなど、市民との対話を実践されています。 ※本稿は、『話す力で未来をつくる ~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』(WAVE出版)の一部を再編集したものです。
竹内明日香
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