《ブラジル》学校法人メイ・ウシヤマ学園が世界の日系人の進学サポート=山中理事長「日系人は私の家族」 東京・六本木ヒルズ
【東京発=大浦智子】 東京の六本木ヒルズに在所する学校法人メイ・ウシヤマ学園ハリウッド美容専門学校(山中祥弘理事長・学長)が、「世界の日系人のための進学サポート制度」を設置した。中南米の日系人も特別待遇で同学園での就学がサポートされる。
同校は1925年の創立以来、ハリウッドスターのように美しく輝く、数多くの一流トータルビューティシャンを育ててきた。容姿や服飾の外面美だけでなく、内面美を統合した「美の哲学」を教授する。教育課程は技術を身につける総合美容学科(2年間)と高度総合美容学科(4年間)から選べ、さらにハリウッド大学院大学(1~2年)に進学してビューティービジネス研究科で修士も取得できる。 「日本の美容は世界一。海外からの学生が日本で学んで本国に戻れば、トップとして通用する」と、今回のサポート制度を決定した山中祥弘理事長は話す。 同校や美容室、化粧品などで知られるハリウッドグループの創業者、牛山清人氏(1899―1991)は、日本人移民と縁がある。同氏は1917年に渡米し、ハリウッド・ハイスクールを卒業後、ハリウッドでメイキャップを担当した。当時の米国は日本人移民排斥の風潮の中で、帰国後の1924年に美容室をオープンした。 山中氏は従兄弟がアルゼンチン宮崎県人会会長の山中ルイスさん(77)で、昨年に宮崎県で開催された宮崎県人会世界大会にも参加した。 「日系人は私の家族。戦後の日本が貧しかった時代には南米から食料や衣料が送られ、常に親近感を持ってきた」と回想する。 入管法改正以降、日本で就労した日系人がバブル崩壊やリーマンショックなどで帰国を余儀なくされたことを重く受け止める。
昨今の少子化による日本の人口減少は、「日系人が戻る土壌ができた」と捉え、「自助努力で人材育成の成功事例を示せば、日系人が日本から大切にされることにもつながる」と、日系人に新たな扉を開いた。 「国家戦略として人的交流が極めて重要」と、同校はグローバル化構想を進め、既に中国や韓国、東南アジアなどからの学生も多く受け入れ、さらに中南米からの学生を受け入れることで、よりダイバーシティ(多様性)あふれる学園を目指す。 授業は日本語が中心となるため、山中氏は中南米での日本語教育に期待を寄せる。公益財団法人ベトナム協会の代表理事でもある同氏は、「日本がODA(政府開発援助)で海外の公共工事に投資できる金額は既に中国を大きく下回り存在感が薄い。しかし、教育への投資は10年先の日本の国益に確実につながる。ベトナムでも日本には日本語教育への投資が期待されている」と述べる。 川島鋼太郎国際交流センター長によると、ハリウッド美容専門学校及び、ハリウッド大学院大学の就学サポート制度の概要は以下の通りとなっている。