人生最大の「黒歴史」が人生を支える「よもやま話」に⁉...どの分野でも成功する考え方の「大転換」
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第32回 『「狭心症治療薬」でED改善⁉...超富裕層になるために知っておきたい、世界的な大ヒット商品を生み出す「逆転」の思考法』より続く
失敗から生まれる方向転換
失敗から学ぶことで、成功につながるというケースには、方向転換のケースもあります。 ペニシリンやポスト・イットのように失敗が次なる成功へのヒントになることもありますが、違う道を探る、方向転換することで成功に至るということも十分に有り得るのです。 古い高校野球ファンなら「星稜対箕島」というとピンとくる人がいるかもしれません。1979年の夏の甲子園大会の3回戦で、石川県代表の星稜高校と和歌山県代表の箕島高校がぶつかりました。 両校とも一歩も引かず、試合は延長戦に。12回に一度、星稜高校がリードするも、その裏に箕島高校が追いつき、試合は続きます。 当時は、延長は18回までというルールだったのです。そして、16回表にまた星稜高校が1点リードします。
失敗談で明るい性格に
その裏のことです。簡単に二死となり、最後のバッターと思われた選手は一塁ファウルフライを打ち上げます。 万事休すかと思われたそのとき、一塁手は足を取られて平凡なフライを落球してしまいます。そして、試合は続き、その打者はホームランを放ってまた同点に追いつくのです。 その試合は18回裏に箕島高校がサヨナラの得点をして勝利します。 この16回裏にファーストファウルフライを落球した選手。彼は長くこの試合を引きずっていたと言います。 野球もやめ、普通に就職をしますが、引っ込み思案な性格になってしまっていたそうです。 しかし、あるとき、取引先の人から「あのときの一塁手だよね」と話しかけられました。 その話題を避けたいと思っていたそうですが、自分の考えとは違い、責められることもなく、大変だったねと過度にねぎらわれることもなく、ただ「いい試合だった」と話が盛り上がったそうです。 そこではじめて、自分の失敗、エラーではあったけれど、そこまで気に病むようなものではないんだと感じられたそうです。 それ以降、彼は営業時のよもやま話として「あのときの一塁手、私なんです」と自分から話すようになり、明るい性格に変わったと言います。営業成績も向上したそうです。 これは、失敗したからといって過度に落ち込む必要はなく、それを生かす方向に考え方を転換したほうがいいという一つの教訓かもしれません。 他にも元スポーツ選手が大けがで選手生命を絶たれた後、トレーナーに転身、同じようなけがをする選手が出ないように力を注ぐという話もあります。 『「大物司会者」に強引な押し売り!? ...「ディズニークルー」が「ビリオネア」へと変貌! 隠された驚愕の「秘密」』へ続く
山川 恭弘