「裁判官」も「捜査官」も”ロシア政府”には逆らえない…違法逮捕された女性記者が見た連邦刑執行庁の「本当の顔」
査察官の本心
あまりに意外なことだったので、わたしは狼狽し、言葉を発することもできなかった。しかし、政治体制が完全に腐りきっているとわかっている人たちが、なぜその犯罪的な命令に従い実行し続けるのだろう? 連邦刑執行庁の査察官はどうやらまっとうな人のようだ。良心の呵責に苦しんでいる。少なくとも、わたしの逮捕が違法であることをわかっている。権力の意向でわたしに自宅軟禁を言い渡したあの裁判官も、同じような思いを感じているのだろうか? わたしの刑事事件をでっち上げた捜査官はどうなのだろう? クレムリンのために働き、わたしのバッシングに加わった前の夫はどうなのだろう? 夏は終わりに近づいていた。逮捕から3週間が過ぎ、この間、わたしは娘と会えなかった。バスマン裁判所の決定によって、わたしは家から一歩も出られなかったし、娘は父親の命令でアパートから出られなかった。 「おまえの家はいまじゃ牢獄だよ!ママとはもう会わせない」 わたしが電子発信機を装着された後、父親である前の夫はアリーナに言った。彼は娘を自宅アパートに閉じ込め、母親であるわたしと連絡を取ることを禁じた。 『「もうすぐ拘置所へ送られる」...恐ろしいロシア政府から拘束された女性と離れ離れになった娘の《奇跡の再会》』へ続く
マリーナ・オフシャンニコワ