90年ぶり大嵐、インド洋マヨット島10万人と連絡つかず
Tassilo Hummel [パランジ(マヨット) 17日 ロイター] - 前週末にアフリカ南部に近いインド洋島しょ部などを襲ったサイクロン「チド」の被害で、フランス当局は被害が最も深刻な海外県マヨットで死者数が数百か数千に上る可能性があると明らかにした。大統領府はマクロン大統領が19日に現地入りすると発表した。 マヨットはモザンビークの沖合に浮かぶ島。風速200キロの強風が吹き荒れた。今回ほどの大嵐は過去90年以上なかった。モザンビーク当局は17日、少なくとも34人が死亡したと発表した。マラウイでも7人が死亡した。 マヨット島は依然多くの地域に立ち入ることができない。レユニオン島から空輸で生活必需品が届けられ、医療関係者や技術者、警察官も空から現地入りした。チド犠牲者の一部は死亡を公的に記録する前に埋葬されており、被害の全容判明までには数日かかる可能性がある。 内務省によると、これまでにマヨット島で22人の死亡と1373人の負傷が確認された。現在病気の発生の報告はないという。 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の広報担当ノラ・ピーター氏は「マヨット島は人口30万人の小さな島だが、サイクロンにより電気やインターネット、電話回線が途絶えており、依然として約10万人と連絡がつかない」と話し、犠牲者が急増しかねないとの見方を示した。 同島の正確な人口は分かっておらず、事態は一段と厳しさを増している。過去10年間に10万人が増加したと推定されているが、主に不法移民のためだ。