【下関ボート・SGチャレンジカップ】河合佑樹がSG初優出V 賞金ランク49位から下克上でGP切符ゲット
下関ボートの「SG第27回チャレンジカップ」は24日、第12Rで優勝戦が行われ、河合佑樹(37)=静岡=がインから逃げ快勝。SG初優出Vを飾るとともに今年の賞金ランクを大会前の49位から13位に押し上げ、大逆転で住之江SGグランプリ(12月17日~)の初出場を決めた。住之江グランプリ出場の18人が決定した。 ◇ 自分を信じて、自分の仕上げ切った舟足を信じて史上最大の下克上を成し遂げた。初のSG優勝戦を1号艇で迎えた河合がインから力強く押し切り完勝。今年5度目の優勝をSG初制覇で飾るとともに、グランプリ初出場を決めた。 「正直、あんまり実感がないですね。気持ちはフワフワしていたけど、それが緊張だったのかは分からないです。少し伸びてくる感じのあった寺田(祥)さんが3カドに引いて『スタートは絶対にいかないと』と思っていたし、その寺田さんが見えて『ヤバいな』と思ったけど、それをカバーできる舟足があったので。(1周)1マークはしっかり落としてグリップして回れました」 選出順下位の伏兵が、的確なペラ調整で序盤から伸び中心に高水準の足に仕上げて〝1枠なし〟の予選をオール3連対の快走。同成績で並んだ師匠の坪井を上がりタイムで上回り予選1位通過から準優を逃げ切ると、重圧をはね返すトップSを決めて、3カドから攻めてきた地元・寺田祥ら猛者たちを退けた。 優勝戦をともに戦った師匠の坪井は他艇との接触でプラグが折れてエンジン出力低下から不完走失格に終わったが、ウイニングラン後のまな弟子を出迎えて熱い抱擁。同じ静岡支部の菊地や深谷、102期同期の遠藤、前田らにも祝福されて「力になったし本当にありがたいです」と端正なマスクが涙でゆがんだ。 過去最大のジャンプアップでGPへ出場した2012年の第15回大会(児島)の平尾崇典(大会前の賞金ランク43位からのVで8位)を上回る、出場選手最下位だった大会前の賞金ランク49位から13位へ浮上する大逆転でのGP初出場。 「GPはまだ未経験ですし、住之江は正直ほとんど実績もないので。すべてチャレンジャーのつもりで一走一走、全力でいくだけです」。静岡の新興勢力が、勢いそのままに、初出場の年末決戦でも躍動する。(小出大輔)